
スウェーデンの国民的作家が生んだ 手のひらに宿る北欧の物語
リサ・ラーソンがグスタフスベリ社で1970年代に制作した一点もののカワウソの陶器像です。リサ・ラーソンはストックホルム市内の老舗デパートのNKとタイアップして、1975年から6年間Utrotningshotade Djur(絶滅危惧種の動物たち)と銘打った一連の陶器像を毎年一つずつ発表しました。売上の一部はWWF(World Wide Fund for Nature, 世界自然保護基金)へと寄付されています。
一連のシリーズでは、オオヤマネコ、イヌワシ、ハイイロアザラシ、バイソン、ハリネズミ、カワウソ、ハヤブサがデザインされています。すべて2000体前後の限定生産となっています。1975年にカワウソが発売されていますが、こちらは同時期に作られたカワウソのユニークピース(一点もの)となります。
本作では二匹のカワウソが仲睦まじく寄り添っている姿が表現されています。周囲を見回すような可愛らしい仕草が感じられます。もともとWWFモデルは正面左側のカワウソとほぼ同型のフォルムとなり、つがいの右側がオリジナルの要素といえます。
本作が生み出された当時、リサ・ラーソンは陶器像の材料研究を熱心におこなっており、こちらはシャモットと呼ばれる陶土で高い耐久性も確保した新しい製造方法で作られています。底部に見られる土の荒々しさにシャモット陶器の特徴がよく表れています。
本作は世界に一点だけの作品です。リサ・ラーソンの亡き後、彼女の作品はますます価値のあるものとなっています。今後二度と入荷することはなく値段相応の価値がある作品です。この機会にぜひご覧ください。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校でテキスタイルから陶芸に転向。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
リンドベリが「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼んだ工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。ある日、暗褐色のシャモット陶土でしっぽを立てた猫を作ったことが、生涯で約30種もの猫の陶器を生むきっかけとなります。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- ケラミックストゥディオン時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- 作品名:Utter / カワウソ
- 年代:1975年頃
- 生産国:スウェーデン
- サイズ:高さ19cm 横幅14cm 奥行き16cm
■コンディション:★★★★★(5:完品)
割れや欠けや貫入がなく半世紀前の制作当時の姿をそのまま留めた完品のコンディションです。






















