グスタフスベリのGスタジオ(G-Studion)
グスタフスベリには、大量生産ラインとは別に、Gスタジオ(G-Studion)という部門が存在していました。ここでは、ウィリヘルム・コーゲ、スティグ・リンドベリやリサ・ラーソンなどの著名なデザイナーたちがアート作品を生み出していました。
1942年に設立されたGスタジオは、アーティスト、デザイナー、職人、イラストレーターからなるグループで、創作活動から展示用の陶器作成、公共空間のアート作品製作、産業向けデザインまで、幅広い活動を行っていました。1993年まで稼働し「美的実験室」のような役割を果たしていました。また、グスタフスベリの大量生産品のデザインアイデアを提供する役割も担っていました。
Gスタジオは、グスタフスベリの陶磁器工場の古い建物を改装したアトリエで、100人以上のアーティストと職人が集まるハブとなっていました。20世紀のグスタフスベリの陶磁器の伝統は、ここから発信されたと言っても過言ではないでしょう。スウェーデンの芸術とデザインの世界における中心的存在であり、新たな創造性を育む場として機能していました。
Gスタジオの作品は一点一点が手作りで、その制作風景を伝える映像が残されています。その映像には、丸メガネをかけた男性、デザイナーのスティグ・リンドベリが映っています。そして、その右側にはスタジオディレクターであったウィリヘルム・コーゲが映っています。