
19世紀と20世紀の境目を子どもに託した リサ・ラーソンの陶器像三兄妹
グスタフスベリ社でリサ・ラーソンが1975年にデザインした「世紀の変わり目」というシリーズの陶器像です。20世紀の前後で人々の姿がどう変わっていったのかを子どもたちの服装に委ねることで表現している作品です。こちらのアンナ・ジュリア・オスカー像は19世紀のスウェーデンに見られた婦人服を来た女性や水兵を描いたものです。
世紀の変わり目シリーズではアンナ・ジュリア・オスカーの三兄妹と、ヴィクトリア・シグリッド・グスタフという三兄妹の陶器像がそれぞれ制作されました。
本作が生み出された当時、リサ・ラーソンは陶器像の材料研究を熱心におこなっており、こちらのアンナ・ジュリア・オスカーは伝統的な炻器(ストーンウェア)と呼ばれる手法で製作されました。もう一対となるヴィクトリア・シグリッド・グスタフの兄妹像はシャモットと呼ばれるより土のむき出しの感じがありつつ高い耐久性も確保した新しい製造方法で作られています。服装と同時にそれぞれに技術的な境目も19世紀と20世紀で使い分けられています。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校でテキスタイルから陶芸に転向。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
リンドベリが「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼んだ工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。ある日、暗褐色のシャモット陶土でしっぽを立てた猫を作ったことが、生涯で約30種もの猫の陶器を生むきっかけとなります。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- ケラミックストゥディオン時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- シリーズ名:Sekelskifte / 世紀の変わり目
- 作品名:アンナ・ジュリア・オスカー
- 年代:1975〜1985年
- 生産国:スウェーデン
- サイズ:・アンナ 高さ10.5cm 横幅7cm ・ジュリア 高さ14.5cm 横幅8cm ・オスカー 高さ11.5cm 横幅6cm
■コンディション:★★★★★(5:完品)
割れ、欠け、貫入のない制作当時の姿をそのまま留めた完璧なコンディションで、3体ともオリジナルのシールもきれいに残っています。





















