
スウェーデンの国民的作家が生んだ 手のひらに宿る北欧の物語
リサ・ラーソンがグスタフスベリ社で1964年にデザインした「カロリン」というシリーズのプレートです。カロリンは花瓶やスープ皿やキャンドルスタンドなどで構成された一連の食器シリーズですが、こちらはそのうち最も生産数が少なかった20cmプレートです。
カロリンシリーズは1964年から8年間ほど制作されましたが、最終的に生産を花瓶に集約していきました。いまでもカロリンシリーズのフラワーベースはヴィンテージ市場でもよく手に入ります。しかし、どういった理由かはわかりませんが、こちらのプレートはほとんど量産されませんでした。ヴィンテージ市場で見かけることはかなり珍しいものです。
通常のバックスタンプはグスタフスベリのマークが入ったものが基本ですが、こちらはシリーズ専用のオリジナルのスタンプです。カロリンというシリーズ名と製作者のリサ・ラーソンの名前が刻印されています。1970年以降のグスタフスベリの縄なしの錨マークが入っているため本作は1970年から1971年に製作されたものとなります。北欧ヴィンテージ食器によく見られる目跡(支柱跡)も見られないため通常の量販品を作る製造ラインとは別個に作られた、高い技術レベルの作品であることがわかります。
プレートは青を基調とするシックな作りで、ハンドペイントで幾何学模様が描かれています。全体的にうすく水色の釉薬がかかっており、濃紺との相性が和食器の伊万里焼のような風合いを連想させます。
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- シリーズ名:Karolin / カロリン
- 年代:1964〜1971年
- サイズ:直径19.5cm 高さ2.5cm
■コンディション:★★★★☆(4:美品)
表面は光に透かすと写真に写らない程度のわずかなカトラリー跡と重ね置きの跡が見られますが、ヒビや割れや貫入がなく製造時の姿をそのまま留めたデッドストック品に近いコンディションです。本品は複数在庫品となります。写真と同等のコンディションのものをお届けします。






















