北欧食器の基礎知識 — ブランド・ヴィンテージ・選び方ガイド

北欧食器の代表格アラビア パラティッシの深皿
アラビア パラティッシ 深皿 — フィンランドが生んだ不朽の名作)

「北欧食器」という言葉を耳にしたことはあっても、その魅力や奥深さを知る機会は意外と少ないかもしれません。北欧食器とは、フィンランド・スウェーデン・デンマーク・ノルウェーなど北欧諸国で生まれた陶磁器・ガラス製品・カトラリーの総称です。厳しい冬を室内で過ごす北欧の暮らしから生まれた食器には、毎日の食卓を豊かに彩る温もりと、世代を超えて受け継がれる確かな品質が宿っています。

当店タックソーミュッケは、スウェーデンとフィンランドから直接買い付けた北欧ヴィンテージ食器の専門店です。このページでは、北欧食器の基礎知識から人気ブランドの特徴、そして後悔しない選び方まで、専門店の視点から詳しくご紹介します。

 

北欧ヴィンテージ食器と現行品の違い

北欧ヴィンテージ食器の代表例アラビア クロッカス
アラビア クロッカス 17cmプレート — エステリ・トムラが手がけた1970年代の人気シリーズ)

北欧食器には大きく分けて「現行品」と「ヴィンテージ品」の2つがあります。現在デパートや雑貨店で見かける北欧食器の多くは、ブランドのライセンスのもとタイやインドネシアなど東南アジアの工場で量産された現行品です。一方、北欧ヴィンテージ食器は、主に1940〜1980年代に北欧の工房で職人の手を経て作られたもの。同じブランド名であっても、製造の背景やデザインの深みがまったく異なります。

ヴィンテージ食器の最大の魅力は「二度と作れない」という希少性です。当時の窯・釉薬・職人の技術が生み出した色合いや質感は、現代の量産技術では再現できません。年月を経て価値が上がるものも多く、使い込むほどに愛着が増すのが北欧ヴィンテージ食器の醍醐味です。

なお、ヴィンテージ食器であっても食品衛生法の基準を満たしていれば日常使いに問題ありません。当店ではコンディションを丁寧にチェックし、安心してお使いいただける食器のみを販売しています。

北欧食器が世界中で愛される5つの理由

アラビア パラティッシ ブラック オーバルプレート
アラビア パラティッシ ブラック 25cmオーバルプレート — 和食にも映えるモノトーンデザイン)

  • 機能美を極めたデザイン:北欧デザインの根底には「美しいものは使いやすくなければならない」という思想があります。手になじむフォルム、スタッキングしやすい形状、食洗機やオーブンに対応する耐久性——見た目の美しさと実用性が両立しています。
  • 和食器との相性の良さ:北欧食器は和食との相性が抜群です。自然モチーフの落ち着いた色使いや、余白を活かしたデザインは、日本の食文化と驚くほど調和します。パラティッシのお皿に煮物を盛り付けたり、カップで抹茶を楽しんだりと、和洋を問わず活躍します。
  • 食卓のアクセントになるデザイン性:北欧食器は料理を盛り付けるだけでテーブルが華やぎます。花や葉、幾何学模様など自然からインスピレーションを得たパターンは、一枚あるだけで食卓の主役になります。
  • インテリアとしての価値:インテリア作品として壁に飾ったり、棚にディスプレイしたりと、食器としてだけでなく暮らしを彩るアートとしても楽しめます。
  • サステナブルな価値観:良いものを長く大切に使う——北欧の「ラーゴム(lagom=ちょうどいい)」の精神は、現代のサステナブルな暮らしの理想と重なります。ヴィンテージ食器を選ぶこと自体が、持続可能な消費のかたちです。

北欧食器の人気ブランドと代表作

アラビア(ARABIA)— フィンランドの国民的食器ブランド

1873年にヘルシンキ郊外で創業したアラビア(ARABIA)は、フィンランドを代表する陶磁器ブランドです。カイ・フランクが手がけた「キルタ」シリーズで機能主義デザインの金字塔を打ち立て、ビルガー・カイピアイネンの「パラティッシ」は1969年の発表以来、世界中で愛され続けています。ウラ・プロコッペの「ルスカ」や「バレンシア」など、デザイナーごとに個性豊かなシリーズが存在するのもアラビアの魅力です。

イッタラ(Iittala)— 北欧ガラスの最高峰

イッタラ カステヘルミ グリーンプレート
イッタラ カステヘルミ 17.5cmプレート グリーン — オイバ・トイッカによる「露のしずく」のデザイン)

1881年創業のイッタラ(Iittala)は、フィンランドが世界に誇るガラス製品ブランドです。建築家アルヴァ・アアルトがデザインした波形の「アアルトベース」は、フィンランドデザインの象徴として知られます。タピオ・ヴィルカラの「ウルティマ・ツーレ」は溶ける氷を表現した彫刻的なグラスで、オイバ・トイッカの「カステヘルミ」は朝露の粒をガラスに閉じ込めた名作です。光の角度で表情が変わるイッタラのガラスは、北欧の自然そのものを食卓に運びます。

ロールストランド(Rörstrand)— スウェーデン最古の窯

ロールストランド モナミ コーヒーカップ&ソーサー
ロールストランド モナミ コーヒーカップ&ソーサー — マリアンヌ・ウェストマンの代表作)

1726年創業のロールストランド(Rörstrand)は、ヨーロッパで2番目に古い陶磁器メーカーです。毎年12月のノーベル賞晩餐会で使用される食器を製造していることでも知られ、その品質は世界最高峰。マリアンヌ・ウェストマンがデザインした「モナミ」は、スウェーデンの家庭で最も愛されたシリーズのひとつで、四つ葉のクローバーをモチーフにした藍色の絵付けが特徴です。

 

グスタフスベリ(Gustavsberg)— 北欧ミッドセンチュリーの宝庫

グスタフスベリ ベルサ プレート
グスタフスベリ ベルサ 24cm大皿 — スティグ・リンドベリの代表作、1960年発表)

1825年創業のグスタフスベリ(Gustavsberg)は、スウェーデンのストックホルム群島に工房を構える陶磁器ブランドです。1940〜70年代にかけて、スティグ・リンドベリリサ・ラーソンという二人の天才を擁し、世界的な名声を獲得しました。リンドベリの「ベルサ」は緑の葉をモチーフにしたポップなデザインで、北欧ミッドセンチュリーを象徴するシリーズです。

 

リサ・ラーソン(Lisa Larson)— 世界で最も愛される北欧の陶芸家

リサ・ラーソン MIA 猫のオブジェ
リサ・ラーソン MIA — グスタフスベリ時代に制作された希少なオリジナル作品)

リサ・ラーソン(Lisa Larson)は、動物や人物を温かみのある造形で表現するスウェーデンの陶芸家です。1954年から26年間グスタフスベリで活躍し、猫の「MIA」やライオンの「檻の中のライオン」など、数々の名作を生み出しました。日本でも絶大な人気を誇り、ヴィンテージのオリジナル作品は年々希少価値が高まっています。当店ではリサ・ラーソンのヴィンテージ作品を豊富に取り揃えています。

 

北欧食器の選び方 — 専門店が教える5つのポイント

スティグ・リンドベリ ファイアンス飾り皿
スティグ・リンドベリ Gスタジオ ファイアンス焼き飾り皿 — 芸術と日用品の垣根を超えた一点もの)

  1. まずは一枚、食卓の「主役」を選ぶ:初めての北欧食器なら、20〜25cmのプレートがおすすめです。パスタ・カレー・サラダ・和食まで幅広く使え、北欧食器の魅力を毎日実感できます。パラティッシやベルサなど、デザインの存在感がある一枚を選ぶと、いつもの料理が特別に見えます。
  2. 「使う」か「飾る」かで選ぶ:日常使いには耐久性の高い量産ラインのヴィンテージがおすすめ。一方、リンドベリのGスタジオ作品やリサ・ラーソンのオブジェなど、一点もののアート作品はインテリアとして飾って楽しむのが最適です。
  3. コンディションを確認する:ヴィンテージ食器は一点一点状態が異なります。当店ではコンディション評価を詳細に記載し、写真も多数掲載しています。小さなスクラッチは使用上問題なく、むしろ年月を経た味わいとして楽しめます。
  4. ブランドとデザイナーで探す:北欧食器はブランドだけでなく、デザイナーによって作風が大きく異なります。スティグ・リンドベリのポップな色彩、ウラ・プロコッペの素朴な温かみなど、好みのデザイナーを見つけると北欧食器の世界がさらに広がります。
  5. 信頼できる専門店で購入する:ヴィンテージ食器は製造時期やコンディションの見極めが重要です。当店はスウェーデン・フィンランドから直接買い付けを行い、すべての商品を一点ずつ検品してお届けしています。

北欧食器のある暮らしを始めよう

北欧食器は、シンプルでありながら深い美意識が宿る、暮らしの道具です。半世紀以上前に北欧の工房で丁寧に作られたヴィンテージ食器には、量産品にはない一期一会の魅力があります。一枚のお皿が食卓の景色を変え、一つのカップが朝のコーヒータイムを特別にしてくれる——それが北欧食器の力です。

当店ではアラビアイッタラロールストランドグスタフスベリリサ・ラーソンをはじめ、厳選した北欧ヴィンテージ食器を多数取り揃えています。ぜひ、あなたの暮らしにぴったりの一枚を見つけてください。


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