グレンクヴィストは数多くのシリーズを手がけています。秋の草花をイメージした「Tea for Two」、抽象的な栗色の縦線を配した「コスモス(Kosmos)」、半分に切ったザクロを描いた「フラクタス(Fructus)」、フィンランドの伝統的なサウナ文化に着想を得たサウナマグシリーズなど、いずれも現在でも愛好者の多い人気の高い作品群です。
ATELJE の署名 — 美術部門での手描きの仕事
大量生産ラインとは別に、グレンクヴィストはARABIAの美術部門で手描きの仕事を続けました。これらの器の底には「ATELJE ARABIA FINLAND GOG」と署名が入ります。ATELJE は美術部門の手描き製品に用いられた署名であり、シリーズ名でも部門の名称でもありません。GOG はグレンクヴィストのイニシャルで、スラッシュに続く二文字(GOG/PM、GOG/IP など)は、その器に実際に彩色した絵付師のイニシャルです。図案を描いた人と彩色した人の両方が器の裏に残る——これが量産の絵付けとの違いです。日本では「アトリエGOG」の通称で呼ばれています。一点ごとに絵が異なり、独特の色使いと陰影のある色彩感覚が、コレクターの間で高い評価を受けています。