
スウェーデンの国民的作家が生んだ 手のひらに宿る北欧の物語
スウェーデンの代表的な陶芸家リサ・ラーソンが1967年に製作したUNIKシリーズという陶板です。リサ・ラーソンは猫、鳥、馬、象などを含んだ9種類の陶板をデザインしました。これはそのうち丸い猫を描いたものです。陶板は首都ストックホルムにあるグスタフスベリ社のGスタジオと呼ばれるアトリエで一点一点が手作りで製作されました。
UNIKシリーズには座り猫と丸い猫の2種類の陶板があり、こちらは後者となります。猫を真正面から捉えた描写でライオンのたてがみのような力強い毛並みの表現に特色があります。前足は丁寧に並べられておりちょこんと座る可愛らしさもリサ・ラーソンらしく表現されています。UNIKシリーズのなかでも代表的な作品で最も評価が高いリサ・ラーソン陶板の一つです。
UNIKシリーズは1986年までの20年間に渡ってロングラン生産されたため、時代によって色調にかなり違いがあります。基本的には後年になるほど色が明るく変化していきますが、こちらの陶板は比較的暗い色の釉薬が使われているため、1970年代に製造されたものであると考えられます。
リサ・ラーソンは猫のモチーフを好んで多用していますが、猫はリアリティのある鋭い眼差しの作風が多くみられる反面、同じくネコ科のライオンは逆に猫のような温和さで描かれているのが特徴です。可愛いものは鋭く、鋭いものは柔和に、というリサ・ラーソンならではのデフォルメが感じられます。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校でテキスタイルから陶芸に転向。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
リンドベリが「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼んだ工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。ある日、暗褐色のシャモット陶土でしっぽを立てた猫を作ったことが、生涯で約30種もの猫の陶器を生むきっかけとなります。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- ケラミックストゥディオン時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- シリーズ名:UNIK / ユニーク
- 年代:1967〜1970年代(推定)
- サイズ:縦22.5cm 横22.5cm 厚み0.7cm
■コンディション:★★★★★(5:完品)
割れや欠けがなくオリジナルのコンディションを留めた完品です。背面にはオリジナルのシールも残っており、とても状態が良いヴィンテージ品となります。色味が濃く全体の色彩も豊かな逸品です。





















