
スウェーデンの国民的作家が生んだ 手のひらに宿る北欧の物語
リサ・ラーソンが1994年にスウェーデンの消費者協会(Konsumentföreningen)の依頼で小ロット制作した限定プレートです。日本で言う生活協同組合(コープ)に当たるものです。スウェーデンの首都ストックホルム東部のグスタフスベリ社がある地域の生協が75周年を迎えたことを記念してリサ・ラーソンに製作を依頼したものです。本作は非売品として生協に所属する会員に頒布された珍しいものとなります。
プレート表面にはスウェーデンの老舗陶器メーカーでリサ・ラーソンが長年所属したグスタフスベリの社屋が描かれています。グスタフスベリは水辺に立地するため、水運で食器を輸送するのに適した立地にあります。同社の社章は錨のマークが知られていますが、プレートにはそのことがよくうかがえるよう船や人魚も描かれています。
リサ・ラーソンは1980年にグスタフスベリ社を退社してフリーランスとして活動しますが、自らの創作活動に専念できる環境を用意されるという高待遇で再び1990年代に同社に迎え入れられました。本作はグスタフスベリ社の社内工房であるKeramik Studion(K-Studion)で製作されています。すでに世界的なアーティストとなっていたリサ・ラーソン作品が、技術的にも高いレベルで制作したものとなります。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校でテキスタイルから陶芸に転向。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
リンドベリが「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼んだ工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。ある日、暗褐色のシャモット陶土でしっぽを立てた猫を作ったことが、生涯で約30種もの猫の陶器を生むきっかけとなります。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- ケラミックストゥディオン時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。
■詳細スペック
- メーカー:Keramik Studion Gustavsberg / グスタフスベリKスタジオ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- シリーズ名:Konsumentföreningen / 消費者協会
- 年代:1994年
- 生産国:スウェーデン
- サイズ:直径26cm 高さ4.7cm
■コンディション:★★★★★(5:完品)
飾り皿として使われたものです。割れや欠けや貫入がなく特筆すべきダメージのない完品のコンディションです。






















