
スウェーデンの国民的作家が生んだ 手のひらに宿る北欧の物語
リサ・ラーソンがグスタフスベリ(Gustavsberg)社に構えた社内工房であるKeramik Studion(K-Studion)で制作したラストダンスというタイトルの陶器像です。リサ・ラーソンは1980年にグスタフスベリ社を退社してフリーランスとして活動しますが、自らの創作活動に専念できる環境を用意されるという高待遇で再び1991年に同社に迎え入れられました。すでに世界的なアーティストとなっていたリサ・ラーソン作品が、技術的にも高いレベルで制作されたものとなります。
ラストダンスの陶器像は600体限定で90年代と2001年にそれぞれ制作されています。それぞれカラーパターンが異なり、90年代のものは男性が水色のタキシードを着ています。2001年に再度600体限定で制作された際はオリジナルと違いをつけるため黒のタキシードと白のドレスに色が変更されました。
こちらの水色のパターンは90年代のオリジナルのもので、2001年の復刻版に比べても表情の作り込みが緻密でリサ・ラーソンが深く監修に関わったことを感じさせます。また黒のバージョンは燕尾服(タキシード)の尻尾(テイル)が描かれず、全体的にペタッとした色使いになっています。90年代版は尻尾の部分がきちんと描かれています。二人の衣装は同じ水色系統でより二人に親和性が高く感じられます。希少性が高いとともに完成度も優れたものとなっています。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校でテキスタイルから陶芸に転向。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
リンドベリが「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼んだ工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。ある日、暗褐色のシャモット陶土でしっぽを立てた猫を作ったことが、生涯で約30種もの猫の陶器を生むきっかけとなります。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- ケラミックストゥディオン時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。
■詳細スペック
- メーカー:Keramik Studion Gustavsberg / グスタフスベリKスタジオ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- 年代:1990年代
- 生産国:スウェーデン
- サイズ:高さ24cm 直径7cm
■コンディション:★★★★☆(4.5:極美品)
底部にごく僅かなスレが見られますがオリジナルの姿を留めた大半良好なコンディションです。なおシリアルナンバーはコレクションされる方への配慮として伏せてあります。ナンバーをお尋ねの場合はメールよりお問い合わせください。





















