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ARABIA

希少 ARABIA(アラビア)ヴァルム(Valmu)ティーカップ&ソーサー

希少 ARABIA(アラビア)ヴァルム(Valmu)ティーカップ&ソーサー

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フィンランドの名窯が生んだ 手仕事の温もりが宿るカップ

フィンランドを代表する食器メーカーARABIAがミッドセンチュリーに製造した幻のアイテムです。Valmuシリーズはコーヒーカップがよく見られますが、ティーカップは本国フィンランドを含めてほとんど見られない幻のアイテムとなっています。

ARABIAでは1970年代初頭まで製造年と製造月が刻印されていました。こちらはソーサーの背面に4−65(1965年4月)という刻印が打たれており、いわゆるミッドセンチュリーと呼ばれる黄金期の作品であることがわかります。

フォルムデザインはバレンシアで有名なウラ・プロコッペが、装飾を担当したパターンデザイナーはクロッカスで著名なエステリ・トムラが担当しています。カップにはポピーやひなげしの花が描かれており、後年発表された二人の共作フローラ(Flora)のプロトタイプ的なモデルとなっています。

ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

ヘルシンキのARABIA工場 1975年
1975年のARABIA工場(ヘルシンキ・アラビア地区)

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

カイ・フランク
「フィンランドデザインの良心」カイ・フランク(1911–1989)

黄金時代を築いたデザイナーたち

カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。

ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

ARABIA工場の陶芸家たち
ARABIA工場のアトリエで制作する陶芸家たち

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。

ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

ARABIAのロゴマーク
ARABIAのマーク
  • 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
  • 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
  • 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
  • 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
  • 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。

■詳細スペック

  • メーカー:ARABIA / アラビア
  • フォルムデザイン:Ulla Procope / ウラ・プロコッペ
  • パターンデザイン:Esteri Tomula / エステリ・トムラ
  • シリーズ名:Valmu / ヴァルム
  • 生産国:フィンランド
  • サイズ:カップ直径10.1cm カップ高さ5.6cm ソーサー直径14.1cm

■コンディション:★★★☆☆(3.5:良品)

ソーサーの表面に花柄にペイントロスが見られ、光に透かすとカトラリー跡が見られます。カップはペイントロスがほとんどなく良好なコンディションですが高台部に経年の汚れの入り込み薄く見られます。


■関連コレクション

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ウラ・プロコッペ(Ulla Procope)

Ulla Procope

ウラ・プロコッペ(Ulla Procope,1921〜1968年)

ヘルシンキ生まれです。1948年にヘルシンキのアールト大学芸術デザイン学部を卒業してアラビア社に入社します。以後20年に渡って制作部門でデザインを担当し、1960年にルスカ(Ruska)シリーズ、1960年にバレンシア(Valencia)シリーズを生み出します。ルスカはアラビア社製品の中で最もロングランかつ販売数が多い看板商品となり、ルスカのフォルムはSモデルと呼ばれ、その後のARABIAの食器の原型モデルとなります。バレンシアはARABIA製品では最後のハンドペイント商品となっています。プロコッペは珪肺症(シリコーシス)を患い現役を退いてからはスペインのカナリア諸島に移住し47歳のとき現地で死去しています。

ウラ・プロコッペの作品一覧はこちらからどうぞ♪

エステリ・トムラ(Esteri Tomula)

エステリ・トムラ(Esteri Tomula)

エステリ・トムラ(Esteri Tomula,1920〜1998年)

フィンランド首都のヘルシンキの生まれです。大学教授だった父親がヘルシンキ北西部のウルヤラン(Urjalan)という田舎に別荘を購入し、幼少時代は毎年夏になると家族と自然豊かな別荘地で過ごしたことが彼女の自然への造詣を深めたとされています。エステリ・トムラは先天性の小人病の疾患があり、ヘルシンキのアールト芸術大学ではじめは陶芸を専攻しますが体力的・身体的な理由から満足に土を扱うことが出来ませんでした。そのため陶芸の道を諦めてデザインに自らの専門性を求めていきます。

ARABIAに入社後は終生の友となったライヤ・ウオシッキネンとともにパターンデザイナーとしての腕を磨いていきます。ウオシッキネンは抽象的で幾何学的模様を好みましたが、トムラは幼少期の原風景であったフィンランドの草花に自らの意匠の原点を求めています。身体的なハンディキャップをものともせず名作を生み出したトムラは、小児麻痺を患いながらも不朽の名作パラティッシをデザインしたビルガー・カイピアイネンとも相通じる面があります。

エステリ・トムラの作品一覧はこちらからどうぞ♪

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