ARABIA史上最大のロングセラー プロコッペが1960年に生んだ不朽の名作
フィンランドを代表する陶器メーカーARABIAの代表作「ルスカ」シリーズのティーカップ&ソーサー&ケーキ皿のトリオです。
シリーズ名の「ルスカ(Ruska)」とはフィンランド語で「秋」という意味です。紅葉のシーズンに見られる秋の季節の茶色をイメージした作品で、釉薬に黒鉄の粉末をかけてマットな質感を実現しています。和食器にも似たしっとりとした肌触りの器です。
デザイナーはARABIAの20世紀を代表するデザイナーのウラ・プロコッペです。ルスカは1960年に実用とデザイン性を兼ねた新しい生活什器として、オーブン使用ができる耐熱性のある食器として誕生しました。プロコッペは1968年に若くして死去しますが、彼女のデザインしたルスカはその後フォルムはそのままに、さまざまに外装のデコレーションを変えることで、フローラやコラーリやフラクタスなど不朽の名作を生み出す土台となりました。ルスカのデザインは「Sモデル」と呼ばれ、以後のアラビア食器のヒット作の原型(アーキタイプ)となりました。
ルスカはアラビア食器のなかで最もロングラン販売された商品の一つです。40年近く製造され、アラビアの製造拠点が東南アジアに移転することを契機として製造が終了しました。いまでもヴィンテージ市場で最も多く見ることができるアラビア食器の一つがルスカシリーズです。
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。
■詳細スペック
- メーカー:ARABIA / アラビア
- デザイナー:Ulla Procope / ウラ・プロコッペ
- シリーズ名:Ruska / ルスカ
- 年代:1960〜1999年
- サイズ:カップ幅10cm 高さ5.3cm ソーサー直径16cm プレート直径20cm 容量:240ml(満水時)
■コンディション:★★★★☆(4:美品)
割れや欠けがなくオリジナルのコンディションを留めた美品となります。本品は複数在庫品となります。在庫品はすべて写真と同等のコンディションとなります。
■関連コレクション
このシリーズのデザイナーについて詳しく知る: ウラ・プロコッペ完全ガイド|ルスカとバレンシアを生んだアラビアの革新者










