社内アトリエで一点ずつ手描きされた 同じものが二つとないARABIAの芸術品
北欧フィンランドを代表する食器メーカーARABIA社のヴィンテージのバターケースです。ミミ(Mimmi)という比較的珍しいシリーズの作品で、1960年代後半に少量生産されたものです。表面に幾何学的な青い花弁模様を配した芸術的な作品です。底面に4−69という表記があり、1969年4月に製造されたものであることを示しています。
デザイナーのグンヴァル・オリン・グラングヴィストはARABIA社で大量生産品のデザインを担当する傍ら、自らのアトリエを社内工房という形でもち、絵付け師と共作でハンドメイド作品の制作をおこなっていました。Ateljer GOGと刻印されたARABIAの陶器は今なお根強い人気を誇っています。
■詳細
メーカー:ARABIA / アラビア
デザイナー:Gunvor Olin Gronqvist / グンヴァル・オリン・グラングヴィスト
シリーズ:Mimmi / ミミ
年代:1968〜71年
製造国:フィンランド
コンディション:★★★☆☆(3.5:良品)
縁に焼け色の移りが斑点状に見られ、縁に薄く貫入が見られます。貫入とは製造工程の焼成時に釉薬面に走るヒビで使用上のキズや本体そのもののダメージではありません。メーカーの検品を通過したものとなります。製品そのものは使用感のない並品のコンディションとなります。
■サイズ
横幅12.5cm 縦幅8cm 高さ6cm(フタ含む)
■関連コレクション
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。










