ペインターのサインがない本人直筆 高さ40.5cmの大型フラワーベース
■詳細スペック
- メーカー:ARABIA / アラビア
- デザイナー/絵付け:Hilkka-Liisa Ahola / ヒルッカ・リーサ・アホラ(本人直筆)
- 製造国:フィンランド
- サイズ:直径14.3cm 高さ40.5cm
- サイン:底面にH-L.Ahola ARABIAの直筆サイン(ペインターのサインなし)
■コンディション:訳あり品
縁に一箇所欠けが見られますが、絵柄を正面にして見ると隠れる位置にあります。また、縁に一箇所、製造時に釉薬がかかりきらなかった箇所があります。花の絵の根元の部分には薄く貫入が見られます。貫入とは製造工程の焼成時に釉薬面に走るヒビで、本体そのもののダメージではありません。割れはありません。その分、通常よりお求めやすい価格でご用意しました。
■商品解説
ARABIAの装飾画家ヒルッカ・リーサ・アホラ(HLA)が、自ら絵付けまで手がけた大型のフラワーベースです。高さ40.5cm、直径14.3cmと、傘立てほどの大きさがあります。筒形のマットな白い地に、穂のように連なって咲く青いカンパニュラ(釣鐘草)と深い緑の葉が大きく描かれ、内側は淡い水色の釉薬で仕上げられています。
HLA作品の多くは、アホラがデザインを手がけ、専属の絵付け師が絵付けを担当したもので、底面にはHLAとペインターのイニシャルが併記されます。本作の底面にはペインターのサインがなく、アホラ本人の署名「H-L.Ahola」とARABIAの文字だけが入っています。アホラ自身が絵付けまで手がけた直筆の作品です。
北欧で親しまれてきたカンパニュラ
カンパニュラはキキョウ科の植物で、名前はラテン語で「小さな鐘」を意味し、釣鐘形の花の姿に由来します。
北欧では、夏の野に咲く身近な花です。なかでも小さな青い釣鐘形の花をつけるカンパニュラ・ロトゥンディフォリア(Campanula rotundifolia)は、スウェーデンの植物学者リンネが1753年に学名を与えた種で、フィンランドではキッサンケッロ(kissankello、猫の鈴)と呼ばれ、北はラップランドの山の上まで、フィンランド全土に自生しています。1982年には中部ポフヤンマー(Keski-Pohjanmaa)地方の花に選ばれました。スウェーデンでは2021年、スウェーデン植物学協会(Svenska Botaniska Föreningen)の呼びかけによる一般投票で、国の花(nationalblomma)に選ばれています。
本作のカンパニュラは、背丈のある茎に花が穂のように連なる種類で、アホラはこれを高さ40.5cmの器いっぱいに描いています。
ヒルッカ・リーサ・アホラ — 青い花を描き続けたARABIAの装飾画家
ヒルッカ・リーサ・アホラ(Hilkka-Liisa Ahola、1920–2009)は、ヘルシンキ生まれの装飾画家・陶芸家です。1947年にARABIAに正式に入社し、花柄や女性像をあしらった作品を数多く手がけました。青を基調とした花のモチーフで知られ、1968年にはイタリアのファエンツァ国際陶芸ビエンナーレでグランプリを受賞し、これを機にARABIA美術部のアトリエへ移りました。
アホラの作品の多くは、底面に「HLA」のサインが入ります。サインの読み方や代表作は、ヒルッカ・リーサ・アホラ(HLA)完全ガイドで詳しく紹介しています。
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯
1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。
黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。
このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド
- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入されたトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949〜2014年:クラウンマーク(王冠)。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。









