スウェーデンの名窯が生んだ 北欧ヴィンテージの逸品
スウェーデンの名窯グスタフスベリ(Gustavsberg)のヴィンテージのピッチャーです。珍しい蓋付きの作品となります。
グスタフスベリ社は絵柄と配色という二つの要素で著名な食器を生み出してきました。本製品アレナは同社の代表的なデザイナーのスティグ・リンドベリ(Stig Lindberg) の手によるもので、シンプルかつ配色の鮮やかさで仕上げた器となっています。アレナとはローマの「円形闘技場」という意味で、皿の丸みが闘技場の再現性を持つとともに、ハンドペイントによるオレンジの配色が鮮やかで格闘技の激しさを想起させています。
同時期にデザインされたリンドベリの食器にはSiena(シエナ)というイタリアのトスカーナの町の名前のシリーズがあります。晩年スティグ・リンドベリはイタリアに移住していますが、いかに彼の気持ちがイタリアに向いていたのかを物語るデザインとなっています。
1973〜1978年の製造と古いシリーズながら、耐熱性に優れ食器洗浄機にも対応した機能性の高いアイテムとなっております。
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
- シリーズ名:Arena / アレナ
- 年代:1973〜1978年
- 生産国:スウェーデン
- サイズ:直径14cm 横幅18.5cm 高さ15cm(フタ含む) 容量約1000cc
■コンディション:★★★★★(5:完品)
割れ欠けスレ等がなく使用歴のない完品となります。フタの背面の一角にペイント飛びが見られます。それ以外は特質すべきダメージがなくオリジナルの色つやと発色を留めた良作です。









