カイピアイネンが描いた「楽園」 フィンランド製オリジナルの名作
フィンランドのARABIA社の名器パラティッシのヴィンテージの22cmサイズの深皿(スープ皿)です。本作は1969〜1971年までフィンランドで製造されたオリジナルのスープ皿とは異なり、小ぶりな22cmサイズのスープ皿となります。
パラティッシのスープ皿は復刻版が存在しないため、1969年から71年にかけて製造されたヴィンテージの初期モデルでしか製造されたなかったものとなります。そして、1969〜71年モデルのヴィンテージでは楕円形のオーバルプレートがコレクターズアイテムとして有名ですが、お皿の縁が高く成形された深皿はなかでも製造数が限られており、希少性が高いものとなります。
さらにスープ皿は25cmサイズがわずかに製造されたとされていますが、本作はそれよりも一回り小さい22cmサイズの作品となります。プレートとしては比較的小さなものですが、更に製造数が少ないもので、初期のパラティッシのなかでも大変めずらしい作品となります。
このサイズ、フォルム、バックスタンプのプレートは今後入荷することはないと思います。一点ものに近いコレクターズアイテムとしてご検討ください。
「装飾の王」が生んだ楽園

パラティッシをデザインしたビルガー・カイピアイネン(1915-1988)は、フィンランドが誇る「装飾の王(Koristeiden kuningas)」。幼少期にポリオを患い、ろくろが使えない身体でありながら、50年以上にわたりアラビア工場で装飾芸術に人生を捧げました。
ミニマリズムが席巻する北欧デザインの潮流に、彼は真っ向から抗いました。
「装飾性は人類最古の執着である。それを去勢すれば、人間は弱者になる。私は単調さと単純化が嫌いだ」
妻の死、スミレ、そして楽園へ
1966年、カイピアイネンは最愛の妻マッギを失います。彼女の棺をブルーのスミレで覆ったその日から、スミレは彼の生涯のモチーフとなりました。
「ショパンはスミレを愛した。私はショパンを愛する」
悲しみの中で生まれたのが、200万個のセラミックビーズで構成された40平方メートルの巨大壁画「オルヴォッキメリ(すみれの海)」。1967年モントリオール万博でグランプリを受賞しました。

このオルヴォッキメリの延長線上に、1969年、パラティッシは誕生します。元の名前は「タルハ(果樹園)」。ベルギー国王ボードワン夫妻がアラビア工場を訪問した際、完成したばかりのこのデザインに一目惚れ。ファビオラ王妃が自宅用に購入を希望し、「パラティッシ(楽園)」と名付けられました。
アラビア工場 — パラティッシが生まれた場所


ヴィンテージと現行品の違い
パラティッシの生産は1969年に始まり、1974年に一度中断。1988年に復活しましたが、その際にオリジナルの楕円形プレートから丸形に変更され、素材もファイアンス陶器からヴィトロ磁器に変わりました。さらに2016年にはフィンランド工場が閉鎖され、現在はタイで製造されています。
つまり、フィンランド製のヴィンテージ・パラティッシは——特に1969〜1974年のオリジナル期のものは——カイピアイネン自身が監修した時代の、もう二度と作られることのない器です。
パラティッシのバックスタンプ(ロゴ)の変遷

■詳細スペック
- メーカー:ARABIA / アラビア
- デザイナー:Birger Kaipiainen / ビルガー・カイピアイネン
- シリーズ名:Paratiisi / パラティッシ
- 年代:1969年8月
- 製造国:フィンランド
- サイズ:横幅22cm 縦幅19.5cm 高さ4cm
■コンディション:★★★★☆(4:美品:光に透かすと細かいスレが見えるアイテムです)
割れや欠けや貫入がない美品のコンディションです。光に透かすと僅かなスレが透かすと見られますが、状態の良い美品となります。












