
カイピアイネンが描いた「楽園」 フィンランド製オリジナルの名作
■商品説明
ARABIA社の名作パラティッシのジャーです。Paratiisi(パラティッシ)とはフィンランド語で「楽園」の意味です。同社の代表的なデザイナーであったビルガー・カイピアイネンがデザインし、1969年に発売されました。パラティッシは制作に手間がかかるため1974年には一旦生産が中止しています。こちらは生産が再開された1988年以降にフィンランド国内で製造された旧ロゴと呼ばれるモデルです。バックスタンプに王冠のロゴがあり、カラーで葉っぱ柄が描かれているのが特徴となります。
パラティッシのロゴは、1969年のヴィオラ(パンジー)ロゴに始まり、1971年の後半ごろに製造されたヴィオラの部分をARABIAのマークを入れ換えた葉っぱロゴ、1988年の復刻版で円形の英語ロゴに再入れ換えした王冠ロゴ(旧ロゴ)、88年ロゴの色を抜いた現代版の白黒ロゴの4種類があります。88年の王冠ロゴまではフィンランド産となります。
「装飾の王」が生んだ楽園

パラティッシをデザインしたビルガー・カイピアイネン(1915-1988)は、フィンランドが誇る「装飾の王(Koristeiden kuningas)」。幼少期にポリオを患い、ろくろが使えない身体でありながら、50年以上にわたりアラビア工場で装飾芸術に人生を捧げました。
ミニマリズムが席巻する北欧デザインの潮流に、彼は真っ向から抗いました。
「装飾性は人類最古の執着である。それを去勢すれば、人間は弱者になる。私は単調さと単純化が嫌いだ」
妻の死、スミレ、そして楽園へ
1966年、カイピアイネンは最愛の妻マッギを失います。彼女の棺をブルーのスミレで覆ったその日から、スミレは彼の生涯のモチーフとなりました。
「ショパンはスミレを愛した。私はショパンを愛する」
悲しみの中で生まれたのが、200万個のセラミックビーズで構成された40平方メートルの巨大壁画「オルヴォッキメリ(すみれの海)」。1967年モントリオール万博でグランプリを受賞しました。

このオルヴォッキメリの延長線上に、1969年、パラティッシは誕生します。元の名前は「タルハ(果樹園)」。ベルギー国王ボードワン夫妻がアラビア工場を訪問した際、完成したばかりのこのデザインに一目惚れ。ファビオラ王妃が自宅用に購入を希望し、「パラティッシ(楽園)」と名付けられました。
アラビア工場 — パラティッシが生まれた場所


ヴィンテージと現行品の違い
パラティッシの生産は1969年に始まり、1974年に一度中断。1988年に復活しましたが、その際にオリジナルの楕円形プレートから丸形に変更され、素材もファイアンス陶器からヴィトロ磁器に変わりました。さらに2016年にはフィンランド工場が閉鎖され、現在はタイで製造されています。
つまり、フィンランド製のヴィンテージ・パラティッシは——特に1969〜1974年のオリジナル期のものは——カイピアイネン自身が監修した時代の、もう二度と作られることのない器です。
パラティッシのバックスタンプ(ロゴ)の変遷

■詳細スペック
- メーカー:ARABIA / アラビア
- デザイナー:Birger Kaipiainen / ビルガー・カイピアイネン
- シリーズ名:Paratiisi / パラティッシ
- 年代:1988年
- 生産国:フィンランド
- サイズ:横幅11.5cm 縦幅10.4cm 高さ11cm(フタ含む)
■コンディション:★★★★★(5:完品)
使われずに保管されていたデッドストック品となります。使用された形跡のない極めて良好なコンディションです。