
フィンランドの名窯ARABIAが生んだ 北欧ヴィンテージの逸品
フィンランドを代表する陶器メーカーARABIAの人気ヴィンテージのタルヴィッキのクリーマーとシュガーボウルのセットです。タルヴィッキはフィンランド語で「冬」の意味で、モノクロで描かれたパターンデザインが冬の白さと寒さを表現しているようです。
デザイナーはARABIAの著名デザイナーのライヤ・ウオシッキネンです。ウオシッキネンは白黒の点描を得意としたデザイナーですが、本作タルヴィッキも彼女独自の感性がよく表われた作品です。表面にはスズランとニチニチソウという6月ごろの開花時期の植物が描かれています。冬の寒々したと雰囲気に相反して満開に咲いた花々が同居する、という矛盾した構成が面白いです。
タルヴィッキシリーズは全体的には軽くて薄いボーンチャイナ風の作りとなっています。小ぶりなクリーマーは注ぎ口が鋭角に造形された品の良い佇まいで、シュガーボウルも口に向かってテーパーがかかった洗練されたデザインとなっています。
| ■詳細 |
| メーカー: ARABIA / アラビア |
| シリーズ名:Talvikki / タルヴィッキ |
| フォルムデザイン:Richard Lindh / リチャード・リンド |
| パターンデザイン:Raija Uosikkinen / ライヤ・ウオシッキネン |
| 生産国:フィンランド |
| 年代:1964〜1974年 |
| コンディション:★★★★☆(4.5:極美品) 割れや欠けや貫入のないデッドストック品の極美品となります。保存上のごくごく軽微なスレが見られますが、使用されずに保管されていたものとなります。トップコンディションの秀作です。 |
| ■サイズ |
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・クリーマー直径5.5cm 高さ5.5cm |
■関連コレクション
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。

