丸い塊に還元された、大きな動物園のカバ リサ・ラーソン グスタフスベリ製
■詳細スペック
- メーカー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- シリーズ名:Stora Zoo / 大きな動物園
- 作品名:Flodhäst / カバ
- 素材:シャモット炻器
- 製造国:スウェーデン
- サイズ:高さ9cm 幅17cm 奥行き7cm
■コンディション:★★★★★(5:完品)
割れ、欠け、貫入がなく、制作当時の姿をそのまま留めた完璧なコンディションです。
■商品解説
1955年の小さな動物園(Lilla Zoo)が生んだ手のひらサイズの動物たちを、そのまま大きく作り直したのが1950年代後半の大きな動物園(Stora Zoo)です。猫から堂々としたキリンまで13点の動物で構成され、細部よりも全体のシルエットを優先した、思いきった単純化が共通の文法になっています。カバ(Flodhäst)は、その群れに加わった一体です。
スウェーデン国立美術館には、大きな動物園のキリン、シマウマ(Zebra)、ホッキョクグマ(Isbjörn)、そして牛(Ko)が収められています。サバンナの動物と北欧の牛が同じ群れに並ぶおおらかさが、このシリーズの性格をよく表しています。小さな動物園が手のひらの遊び相手だったのに対し、大きな動物園の動物たちは棚に置くだけで空間の主役になる量感を持ち、スウェーデンの家庭で飾られてきました。
当店の記事で扱った大きな動物園のカバは、背に白い小鳥がとまる構成を持つ一体でした。胴はほとんど一つの塊にまとめられ、目や口は素地に刻まれた線として表され、全身を塗り込めず素地の色を残したまま、部分的に釉薬が差されるのがこのシリーズの作りです。本品の背の様子、刻まれた線の入り方、釉薬の掛かり方は、写真でご確認ください。
動物どうしの関係を小さな物語として添える工夫は、この大きな動物園から豊かになっていきました。1964年のアフリカ(Afrika)のライオンが一つの球に近い塊へ向かったのに対し、カバは背中の上に別の生きものを招き入れることで、静かな塊に語り口を与えています。なお、カバはメナジェリ(Menageri)にも同名の一体があり、サイ(Noshörning)やヒトコブラクダ(Dromedar)と並ぶ群れとは別のシリーズです。名の似た群れが多いため、シリーズの取り違えが起きやすい作品でもあります。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校で陶芸を学ぶ。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼ばれた工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- Kスタジオ(Keramikstudion:Kスタジオ)時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。






















