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Gustavsberg

グスタフスベリ ベルサ(Bersa)ヴィンテージ 円筒形ボウル 12.5cm

グスタフスベリ ベルサ(Bersa)ヴィンテージ 円筒形ボウル 12.5cm

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北欧の新緑をテーブルに リンドベリの代表作

スウェーデンの老舗食器メーカー、グスタフスベリの定番Bersåのボウルです。デザイナーはスウェーデンを代表するミッドセンチュリーの巨匠スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg) です。リンドベリは1961年にこちらの葉っぱ柄のデザインを創作しました。Berså(ベショー、ベルショー)とは近年ではスウェーデン語ではあまり使用されない言葉ですが、東屋(あずまや)の意味で、公園の一隅などで一休みするために設けられたスペースのことです。

北欧は一年の半分が冬といっても過言ではない地域です。寒さが厳しいだけでなく、冬場の日照時間は4、5時間程度しかありません。北欧食器の特徴はそのような冬の日であっても温かみが感じられるデザインに溢れている点です。ベルサの青々とした緑は、食卓に新緑の彩りと爽やかな風をもたらす不思議な魅力を持っています。

ベルサシリーズには復刻版もありますが色がヴィンテージに比べて浅い緑色で葉っぱの形も均一です。ヴィンテージの特徴は緑色の鮮やかさとバックスタンプの美しさです。また円筒形のボウルはヴィンテージでしか入手できず、復刻版はお椀型のみとなっています。また復刻版は外側に装飾はなく内側にのみ葉っぱ柄が描かれており、バックスタンプも同社の錨のマークとなっており、ベルサのオリジナルのバックスタンプはなくなっています。

■詳細
メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
シリーズ:Berså / ベルサ
デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
年代:1961年〜1974年
生産国:スウェーデン
コンディション:★★★★☆(4:美品)
側面に細かいペイントロスと底部は光に透かすと薄くカトラリー跡が見られますが、緑色の発色が優れており割れ欠け貫入や大きなスレのない美品です。バックスタンプの欠けはキズではなく製造時の支柱跡となります。

■スティグ・リンドベリについて

スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg,1916〜1982年)

リンドベリは北部スウェーデンの中心都市ウーメオー(Umeå)の生まれで、ストックホルムの美術大学コンストファック(Konstfack)で絵画を学んでいます。1937年にグスタフスベリ社に入社し、師であるウィルヘルム・コーゲの薫陶を受け、12年後の1949年にはコーゲの跡を継いで同社のアートディレクターとなりました。以降、リンドベリは20世紀中葉のスウェーデンのモダニズムの旗手として数々の作品を発表していきます。リンドベリが活躍した時代のグスタフスベリ工房は全盛期を迎え、今でも当時の作品は「ミッドセンチュリー」と呼ばれる黄金期の作として認知され、高い価値を持っています。リンドベリの工房はG-Studion(Gスタジオ)と呼ばれ、若手の絵付け師たちが大いに腕をふるいました。リンドベリは1980年に引退し、隠居先のイタリアでも工房を開きますがその2年後に現地で死去しています。

「遊び心の天才」スティグ・リンドベリ

スティグ・リンドベリ 1940年代 グスタフスベリ工房にて

スティグ・リンドベリ(1916-1982)。グスタフスベリ工房にて自作の陶器に絵付けをする若き日のリンドベリ。

スティグ・リンドベリは1916年、スウェーデン北部ウメオに生まれました。ストックホルムの工芸デザイン学校(現コンストファック)で絵画を学んだ後、1937年にグスタフスベリ磁器工場に入り、当時のアートディレクターであったヴィルヘルム・コーゲの薫陶を受けます。

ヴィルヘルム・コーゲとスティグ・リンドベリ 1938年

1938年、グスタフスベリ工房にて。左がヴィルヘルム・コーゲ、右が若きスティグ・リンドベリ。師弟の絆がスウェーデン陶芸の黄金期を築いた。

コーゲは「美しいものを、すべての人の手に届く価格で」という信念を持つデザイナーでした。その精神を受け継いだリンドベリは、1949年にコーゲの後任としてアートディレクターに就任。以後1980年までの約30年間、グスタフスベリの黄金期を築き上げます。陶磁器のみならずガラス、テキスタイル、工業デザイン、絵本の挿絵まで手がけた万能の創作者でした。

ベルサの誕生 — 「東屋」の緑

「Berså(ベルサ)」とはスウェーデン語で「東屋(あずまや)」を意味します。木漏れ日が差し込む庭園のパーゴラ、そこに揺れる青々とした葉。北欧の長い冬を過ごす人々にとって、夏の庭は特別な場所でした。リンドベリは1960年にこのデザインを完成させ、1961年から生産が開始されました。

一年の半分が暗く寒い冬に閉ざされるスウェーデンで、この鮮やかな緑の葉のパターンは食卓に夏の庭園を持ち込むものでした。当時の「フォルクヘム(国民の家)」思想 ── 美しいものをすべての国民に届けるという理念のもと、ベルサは一般家庭に広く普及しました。

グスタフスベリ工場でのベルサ制作風景 転写シール貼り作業

グスタフスベリ工場の装飾部門。職人がベルサの転写シール(デカール)を一枚一枚手作業でカップに貼り付けている。手前には装飾前の白いカップ、右奥には完成品が並ぶ。(写真:Nordiska museet / Gösta Glase)

ベルサの装飾は「転写(トランスファー)」技法で施されています。専用の転写シートに印刷された葉のパターンを、職人が一つひとつ手作業で貼り付け、焼成して定着させる手法です。大量生産でありながら、すべての工程に人の手が介在する ── それがヴィンテージのベルサに宿る温もりの理由です。

グスタフスベリ磁器工場

グスタフスベリ磁器工場 外観

グスタフスベリ磁器工場(Gustavsbergs Porslinsfabrik)。壁面にはグスタフスベリのシンボルである錨のマークが掲げられている。

グスタフスベリ磁器工場は1825年、ストックホルム郊外のグスタフスベリに設立されました。1937年にスウェーデン生活協同組合連合(KF)の傘下に入り、「良質な日用品を適正価格で」という協同組合の理念のもと、北欧モダンデザインの拠点として発展しました。

グスタフスベリ工場の倉庫に積まれたベルサ

グスタフスベリ工場の倉庫。出荷を待つベルサの食器が棚一面に並ぶ。1961年から1974年のわずか13年間しか生産されなかったヴィンテージのベルサは、現在では希少なコレクターズアイテムとなっている。

ヴィンテージと復刻版の違い

ベルサは1974年に生産終了となりましたが、根強い人気を受けて2005年にグスタフスベリから復刻版が発売されました。ヴィンテージ品と復刻版には以下の違いがあります:

  • 葉の色味:ヴィンテージ品は青みがかった深い緑色で、発色が鮮やかです。復刻版はやや明るいトーンの緑となっています。
  • バックスタンプ:ヴィンテージ品にはベルサ専用のスタンプが施されていますが、復刻版はグスタフスベリの錨マークのスタンプとなります。
  • 素地の質感:ヴィンテージ品はファイアンス焼きの温かみのある手触りがあります。復刻版は現代の窯で焼成されるため、より均一で丈夫な仕上がりです。
  • ラインナップ:ヴィンテージにはコーヒーカップ、スクエアプレート、バターケース、エッグカップなど、復刻されていない希少なアイテムが多数存在します。

ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリのロゴの歴史 1825年から1993年までのバックスタンプの変遷
グスタフスベリのバックスタンプの変遷(1825–1993年) 出典:Jane Fredlund, Stora antikboken, 2021

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。


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