フィンランドの名窯ARABIAが生んだ 北欧ヴィンテージの逸品
■商品紹介
フィンランドを代表する食器メーカーARABIAのシュガーポットです。フィンランド語で「紫色の踊り」を意味する”Purppuri Jenkka”という珍しいシリーズです。デザイナーはヴァレンシアで知られるウラ・プロコッペです。1969年から70年にかけての一年間のみ製造された幻のシリーズで、世界的に希少性の高いアイテムです。基本的なフォルムは1960年にデザインされたヴァレンシアの形態を踏襲しており、ハンドペイントによる自由な筆使いで緑・赤の草花が舞うように全面に描かれています。1969年はウラ・プロコッペが亡くなった翌年でもあります。このPurppuri Jenkkaシリーズはプロコッペの遺作であり、ARABIAの黄金期の秀作の一つとなります。
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。
■詳細スペック
- メーカー:ARABIA / アラビア
- デザイナー:Ulla Procope / ウラ・プロコッペ
- シリーズ名:Purpuri Jenkka / プルプリ イェンカ
- 年代:1969〜1970年
- 製造国:フィンランド
- サイズ:直径7.2cm 高さ9cm(フタ含む)
■コンディション:★★★★☆
4(美品) フタのつまみ部分に貫入、縁に微細な欠け、内部底に黒点、バックスタンプ左側に釉薬が十分にかかっていない部分が見られます。本体そのものは未使用品であり、使用された形跡のないデッドストック品となります。









