フィンランドの名窯が生んだ 手仕事の温もりが宿るカップ
フィンランドを代表する陶器メーカー、ARABIAのドリアシリーズのカップ、ソーサー、ケーキ皿のトリオです。ドリアは、ヨーロッパで一般的な女性名であり、ライヤ・ウオシッキネンがデザインしたこのシリーズは彼女の代表作であるアリシリーズと同じく青を基調とした色彩です。
この食器セットのフォームデザインはリチャード・リンドが手掛け、全体的には軽くて薄手のボーンチャイナ風の作りとなっています。パラスシリーズと似たフォームを持ち、カップの容量は100ml超でデミタスカップよりわずかに大きいものです。
20世紀中盤のミッドセンチュリー期に製作されたドリアは、その小ぶりで上品なデザインが特徴です。青色の鮮やかさと高い完成度が際立ち、一面に青の釉薬を塗り、縁は白抜きの豪華な仕上がりとなっています。プレートは縁に木の実のデコレーションが施されており、取っ手はきゅっと立ち上がり、つまみやすい形状になっています。カップの口は先端に向かってすぼまる洗練されたデザインです。
■詳細スペック
メーカー:ARABIA / アラビア
フォルムデザイン:Richard Lindh / リカルド・リンド
パターンデザイン:Raija Uosikkinen / ライヤ・ウオシッキネン
年代:1964〜1971年
製造国:フィンランド
コンディション:★★★★☆(4:美品)
割れ欠けのない美品となります。軽微なスレが見られますが、ペイントロスや大きなスレがないコンディションです。本品は複数在庫品となります。個別のコンディションをご確認の場合はチャットまたはメールにてお問い合わせください。
■サイズ
カップ直径:6.2cm カップ高さ:5.8cm
ソーサー直径:12.8cm
ケーキ皿直径:17.5cm
■関連コレクション
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。









