アートデパートメントで生まれた一点もの クジャクが輝く大型陶板
1960年代にフィンランドのARABIA社のアートデパートメントで製作されたクジャクを模した大きなサイズの陶板です。ARABIA社では大量生産を行う工場ラインとは別に、陶芸家が一点一点を手作りで製作するアートデパートメントという工房がありました。
こちらはその工房で製作された陶板となります。表面左下にはデザイナーのA HOVISAARI ARABIAというサインが書かれています。アンニッキ・ホヴィサーリ(1918〜2004)はオルナメンッティというトーテム模様や葉っぱ側のデザインを取り込んだ縦長の陶板作品で知られている人物です。1960年代から70年代にかけてアートデパートメントに在籍しており、伝説的なデザイナーであるビルガー・カイピアイネンやライヤ・ウオシッキネンらとともに創作活動を行っていました。カイピアイネンやウオシッキネンは花をメインとした装飾性に富んだ華美なデザインが多かった一方で、ホヴィサーリは落ち着いた色調でシンプルなデザインを好みました。
ホヴィサーリの陶板の特徴は同じデザインの陶板が複数サイズ存在している点です。クジャクの陶板も小さなタイル状のものも製作されたようです。こちらの陶板は最大サイズのもので、厚めに釉薬が塗られ非常にインテリアに存在感があるものとなっています。クジャクのもつ華やかさやきらびやかさがダイヤモンドのような形で散りばめられ様々な色の釉薬によって彩られています。釉薬には奥行きがあり光の加減によって表情が変わる工夫がされています。
自由なプロポーションで胴体を大きく強調した美しいクジャクが描かれています。非常に大きなものなので床の間の飾りのような存在感があります。ワンポイントのインテリアというよりも、部屋の中央に置いたり玄関のよく見える場所に据えたりする主役級のインテリアとしてお役立てください。
本製品について詳しくは当店のブログ記事をご覧ください→「北欧ヴィンテージ陶板とラーゴムの価値観」
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。
■詳細スペック
- メーカー:ARABIA / アラビア
- デザイナー:Annikki Hovisaari / アンニッキ・ホヴィサーリ
- 年代:1960年代
- 製造国:フィンランド:
■コンディション:★★★★☆(4.5:極美品)
背面には経年の色変化が見られますが、全体的に割れ欠けのない完品です。擦り傷も見られず製造時の姿を留めた大変状態の良い陶板です。








