タイカ(Taika)完全ガイド|2つのタイカの違いと見分け方——ヴィンテージARABIA(アンヤ・ヤーティネン)と現行iittala(クラウス・ハーパニエミ)
北欧食器タックショミュッケ編集部スウェーデン・フィンランドから北欧ヴィンテージ食器を直接買い付け、1,000点以上を検品してきた当店が、一次情報と実物の観察にもとづいて執筆・編集しています。
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タイカ(Taika)完全ガイド|2つのタイカの違いと見分け方——ヴィンテージARABIA(アンヤ・ヤーティネン)と現行iittala(クラウス・ハーパニエミ)

「タイカ(Taika)」を探していると、まったく雰囲気の異なる二つの食器に行き当たって戸惑うことがあります。藍色の地に白い木の実を散らした素朴なヴィンテージと、フクロウや狐が遊ぶ幻想的なもう一方。じつはこの二つは、フィンランド語で「魔法」を意味する同じ名前を持ちながら、メーカーもデザイナーも時代も異なる別のシリーズです。
「タイカ(Taika)」という名前を持つシリーズには、大きく分けて二つがあります。ひとつは、1970年代にARABIAで作られたヴィンテージのTaika。もうひとつは、2007年にiittalaから登場したTaikaです。名前は同じですが、両者は復刻関係にはありません。ARABIA Taikaはアンヤ・ヤーティネン・ウィンクヴィスト(Anja Jaatinen-Winquist)のフォルムと、インケリ・レイヴォ(Inkeri Leivo)の装飾によるシリーズです。一方、iittala Taikaはクラウス・ハーパニエミ(Klaus Haapaniemi)のイラストと、ヘイッキ・オルヴォラ(Heikki Orvola)のフォルムによる、2007年登場の別シリーズです。
なお、iittalaのTaikaは、ARABIAのヴィンテージTaikaを復刻したシリーズではありません。どちらもフィンランド語で「魔法」を意味するTaikaという名前を持っていますが、デザイナーも年代も絵柄もフォルムも異なる、まったく別のシリーズです。本記事では、同じ名前を持つこの二つを混同しないために、それぞれの特徴と見分け方を整理します。
この記事でわかること
- 「タイカ」が2つ存在する理由と、それぞれの背景
- ヴィンテージARABIA タイカ(アンヤ・ヤーティネン・ウィンクヴィスト)の特徴
- iittala タイカ(クラウス・ハーパニエミ)の世界と、廃盤・現行の配色
- 二つのタイカの見分け方(文様・バックスタンプ・年代)
基本情報:2つのタイカ早わかり
| 項目 | ヴィンテージ ARABIA タイカ | iittala タイカ(2007年〜) |
|---|---|---|
| メーカー | ARABIA(アラビア) | iittala(イッタラ) |
| 年代 | 1975〜1981年 | 2007年に発表(現在も継続) |
| デザイナー | アンヤ・ヤーティネン・ウィンクヴィスト(Anja Jaatinen-Winquist、フォルム)/インケリ・レイヴォ(Inkeri Leivo、装飾) | クラウス・ハーパニエミ(Klaus Haapaniemi、絵)/ヘイッキ・オルヴォラ(Heikki Orvola、形) |
| モチーフ | 白いベリー(ホワイトベリー)と蔓 | フクロウ・狐・木など、北欧民話の生き物 |
| 名前の意味 | フィンランド語で「魔法」 | 同じく「魔法」 |
| 関係 | 1970年代のARABIAヴィンテージシリーズ | 2007年に登場したiittalaの別シリーズ。ARABIA Taikaの復刻版ではない |
ヴィンテージのARABIA タイカ(1975〜1981年)
当店で扱うタイカは、ARABIAが1975年から1981年にかけて製造したヴィンテージのシリーズです。藍色の地に、白くまるい木の実が踊るように散りばめられています。この文様のモチーフは、フィンランドの森に自生する野生のホワイトベリー(スノーベリーとも呼ばれる冬の白い実)とされています。踊るような筆致が、まさに「魔法」という名にふさわしい躍動感を生んでいます。

白い実と藍色の対比、ふちに添えられた茶と水色のラインが、北欧らしい落ち着いた表情をつくります。現在では生産を終えたヴィンテージとして、コレクターに静かに愛されています。造形そのものや絵付けの密度を眺める一点として楽しめます。

デザイナー:アンヤ・ヤーティネン・ウィンクヴィスト
ヴィンテージのARABIA Taikaは、アンヤ・ヤーティネン・ウィンクヴィスト(Anja Jaatinen-Winquist)が器のフォルムを、インケリ・レイヴォ(Inkeri Leivo)が装飾を手がけたシリーズです。アンヤはロシアにルーツを持つ作り手で、ARABIA在籍時には、名匠ウラ・プロコッペ(Ulla Procopé)とともにカレリア(Karelia)のデザインを担いました。退社後は主にタイルの意匠へと活躍の場を移しています。夫のペテル・ウィンクヴィスト(Peter Winquist)もARABIAのデザイナーで、クロッカスなどの器の形を手がけた人物として知られています。ARABIAという窯の厚みは、こうした作り手たちの層によって支えられてきました(→アラビア(ARABIA)食器の魅力・人気シリーズ・歴史)。
iittala のタイカ(2007年〜)
一方、いま店頭でよく見かける幻想的なタイカは、iittalaが2007年に発表したまったく別のシリーズです。絵を手がけたのは、フィンランド出身でロンドンを拠点とするイラストレーター、クラウス・ハーパニエミ(Klaus Haapaniemi)。マリメッコ(Marimekko)やリーバイス、ドルチェ&ガッバーナの仕事も手がけた人物で、フィンランド有数のイラストレーターと評されています。器の形は、フィンランドを代表するデザイナーのひとりヘイッキ・オルヴォラ(Heikki Orvola)によるものです。

ハーパニエミが描くのは、フクロウや狐、木々といった北欧の民話を思わせる生き物たちです。深く鮮やかな色の上で、森の物語がそのまま器に宿ったような世界が広がります。簡潔なフォルムと幻想的な絵の取り合わせが、iittala のタイカの大きな魅力になっています。白いベリーを配したARABIAのヴィンテージTaikaとは、見た目も成り立ちも大きく異なります。iittala Taikaは、ARABIA Taikaの復刻版ではなく、同じTaikaという名前を持つ別シリーズです。

廃盤と現行——色とコレクションの移り変わり
「iittala タイカ 廃盤」と検索されることが多いように、タイカは配色やコレクションが時代とともに移り変わってきました。発売当初は白・青・黒・赤などが展開され、季節限定で登場した配色のなかには、すでに生産を終えたものもあります。近年は赤やリネン(亜麻色)などが中心で、2022年には15周年を記念した特別な黒の絵柄が、2024年には果実や野菜を描いた新シリーズ「タイカ サト(Taika Sato=収穫)」が登場しました。

そのため「廃盤かどうか」は、配色やアイテムごとに異なります。お探しの色が現行かどうかは、購入時にメーカーや販売店の最新情報を確認するのが確実です。コレクターの間では、初期の配色や生産を終えた色が、より希少なものとして知られています。
2つのタイカの見分け方
同じ「タイカ」でも、次の3点を見れば二つは簡単に見分けられます。
1. 文様で見分ける
白いまるい木の実(ベリー)が散る文様なら、ヴィンテージのARABIA タイカです。フクロウや狐、木々といった物語性のある絵柄なら、iittala のタイカと考えられます。

2. バックスタンプ(裏印)で見分ける
器の裏の刻印も手がかりになります。1970年代のARABIA Taikaには、その時代のARABIAのバックスタンプが入ります。一方、2007年以降のiittala Taikaには、iittalaの表記が見られます。ただし、これはARABIA Taikaの現行版ではなく、同じTaikaという名前を持つ別シリーズです。ARABIAのバックスタンプの読み方は、当店のアラビアの刻印(バックスタンプ)年代別ガイドで詳しく解説しています。
3. 年代と質感で見分ける
1970年代のヴィンテージは、手仕事ならではの個体差や、時代を経た藍色の落ち着いた風合いがあります。iittala のタイカは発色が鮮やかで均一です。ARABIAとiittalaの関係については、イッタラとアラビアの違いもあわせてご覧ください。
まとめ
2つのタイカ・要点
- 名前はどちらも「魔法」だが、メーカー・デザイナー・時代が異なる別シリーズ
- 白いベリー文様=ヴィンテージARABIA(1975〜81、アンヤ・ヤーティネン)
- フクロウや狐の民話的な絵=iittala(2007〜、ハーパニエミ)
- 見分けは「文様・バックスタンプ・年代」の3点で
同じ名前を持つ二つのタイカは、どちらもフィンランドの「魔法」を器に写し取った作品です。藍色に白い実が踊るヴィンテージの静けさも、森の生き物が遊ぶiittala のタイカの物語性も、それぞれにフィンランドらしい想像力が息づいています。お探しのタイカがどちらなのか、この記事が見分けの助けになれば幸いです。
よくある質問
Q. タイカ(Taika)とはどんな意味ですか?
A. タイカ(Taika)はフィンランド語で「魔法」を意味します。ARABIAとiittalaの2つのシリーズが同じ名前を用いていますが、デザイナーも時代も異なる別のシリーズです。
Q. ARABIAのタイカとiittalaのタイカは同じものですか?
A. 別のシリーズです。ARABIAのタイカは1975〜1981年のヴィンテージで、アンヤ・ヤーティネン・ウィンクヴィストが白いベリーの文様を手がけました。iittalaのタイカは2007年に登場した別シリーズで、クラウス・ハーパニエミがフクロウや狐などの民話的な絵を描いています。
Q. iittalaのタイカは廃盤ですか?
A. シリーズ全体が廃盤になったわけではなく、配色やアイテムごとに状況が異なります。季節限定の配色には生産を終えたものもあり、近年は赤やリネンなどが中心です。2024年には新シリーズ「タイカ サト」も登場しました。お探しの色の最新状況は販売店でご確認ください。
Q. 2つのタイカはどう見分ければいいですか?
A. 文様(白いベリー=ARABIA/フクロウや狐=iittala)、裏のバックスタンプ(ARABIA表記か iittala表記か)、年代と質感の3点で見分けられます。
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