野菜の文様が、湾曲しない面を端から端まで横切る マリアンヌ・ウェストマン 1960年代 ロールストランド製
■詳細スペック
- メーカー:Rörstrand / ロールストランド
- デザイナー:Marianne Westman / マリアンヌ・ウェストマン
- 年代:1960年代
- サイズ:縦36.5cm 横12cm 厚み1cm
■コンディション:★★★★☆(4.5:極美品)
光に透かすとわずかなスレが見られますが、割れや欠け、貫入はありません。裏面に見えるのは製造時の焼け色の移りです。
■商品解説
ピクニック(Picknick)は、マリアンヌ・ウェストマン(Marianne Westman)が1952年にデザインし、1956年に発売したロールストランド(Rörstrand)のシリーズです。玉ねぎ、ビーツ、マッシュルーム、きゅうり、アスパラガスといった野菜を様式化した文様が器面を横切り、ピンクやブルー、グリーンの差し色が明るく響きます。製造は1969年まで続きました。
発売時のカタログには、鍋やティーポット、卵立て、保存瓶まで含めて37点におよぶアイテムが並びました。オーブンに入れられる素地で作られており、ウェストマンが掲げた「オーブンからそのまま食卓へ」という考え方に沿って、調理から供する場面までを一続きに受け持つ器としてデザインされました。花柄の飾り棚用の食器ではなく、台所と食卓を往復する器として企画されたシリーズです。
本品はカッティングボード(Cutting Board)として作られた器形です。横に長い一枚の面で構成され、カップやボウルのように絵の画面が湾曲しません。そのためピクニックの野菜文様は、輪郭が歪むことなく端から端まで伸びていきます。立体の器では見えにくい図案の構成そのものが、この器形ではそのまま目に入ります。
ウェストマンの文様は、植物を意識した図案や、フリーハンドで描いたような自由な絵柄が多いことで知られます。ピクニックの野菜も幾何学的に整理されきってはおらず、輪郭のゆるみが明るい色面と釣り合っています。
同じウェストマンのモナミ(Mon Amie)が白磁にコバルトブルーの小花を散らした意匠であるのに対し、ピクニックは野菜という日常のモチーフを大胆に様式化しています。ピクニックと同じ1956年には、タマネギやエンドウ豆、ニンジン、ビーツを描いたポモナ(Pomona)も発売されており、菜園のモチーフが二つのシリーズで並行して展開されていたことになります。モナミが1987年まで35年にわたって作られ続けたのに対し、ピクニックの製造は1969年で終わりました。期間は短いものの、器形の幅はむしろ広く取られており、板状のカッティングボードはその振れ幅を示す一点です。
