スウェーデンの名窯が生んだ 北欧ヴィンテージの逸品
スウェーデンを代表する陶器メーカーのグスタフスベリ社が製作したピッチャーです。シリーズ名のブローヒュサールとは「青い騎兵隊」という意味です。 スウェーデンの騎馬兵のユニフォームは伝統的に国旗と同じ青色で、今でも首都ストックホルムの王宮周辺の騎馬隊は青いユニフォームを着て警護に当たります。ブローヒュサールは騎馬隊が身につける青色の鎧をデザインとして紋様に取り入れています。
グスタフスベリの食器は基本的にデザインが描かれた紙を貼り付ける「転写」と呼ばれる装飾法が多いですが、こちらは同社では比較的珍しいハンドペイントによる装飾が施されています。ブローヒュサール・シリーズの特徴は一点一点の器にかなり青色のムラがある点にあります。ときには下地の白さが残って青が足りないものや、釉薬が潰れてしまってほとんど青一色のようなものもあります。
本作は1968年からわずか3年間しか製造されませんでした。背景には青色の個体差が激しく規格品として同一のものを作るのが難しかった点があるようです。今でもヴィンテージ市場ではブローヒュサールはきれいに見えるものほど評価が高くなる傾向にあります。
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
- シリーズ名:Bla Husar / ブローヒュサール
- 年代:1968〜71年
- 生産国:スウェーデン
- サイズ:高さ12cm 直径15.5cm 容量1200ml
■コンディション:★★★★☆(4:美品)
オリジナルの色つやを留めている状態の良い美品となります。注ぎ口の横に釉薬の下のスジ状のヘアクラックが見られます。製造時に生じてそのまま出荷されたものとなります。底面の側面の一部は光に透かすと保存上のスレが見られますが、ほとんど使用感のないコンディションとなります。。









