フィンランドの名窯ARABIAが生んだ 北欧ヴィンテージの逸品
■商品紹介
フィンランドを代表する食器メーカーARABIA社の秀作ポモナです。ポモナには様々な種類のベリーが描かれていますが、こちらは北欧では非常にポピュラーなリンゴンベリーの実が描かれています。ジャムポットとして使用されていたものです。キャニスターはフタが欠品になることが多いため、揃っていることは比較的珍しいもので、ジャムポットとして使われることを前提にデザインされたものとなります。ARABIAは1970年前後までバックスタンプに製造年月を刻印していました。こちらは11-67という表記があるため1967年11月に製造されたものとなります。
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。
■詳細スペック
- メーカー:ARABIA /アラビア
- デザイナー:Raija Uosikkinen / ライヤ・ウオシッキネン
- 年代:1967年11月
- 製造国:フィンランド
- サイズ:直径9.7cm 高さ8.7cm(フタ含む) ライヤ・ウオシッキネン(Raija Uosikkinen,1923〜2004年) フィンランド南部の町ホッロラの出身。1947年にヘルシンキ中央工芸学校(現アールト大学))を卒業しアラビアに入社する。1986年までの40年に渡ってアラビア社の専属デザイナーとして勤務し、Emilia(エミリア)シリーズやKalevala(カレワラ)というクリスマスシーズンに毎年製造されるイヤープレートのデザインを担当している。カイ・フランクとの共作をおこなうことも多く、基本的にカイ・フランクが商品のフォルムを、ウオシッキネンが装飾デザインを提供することが多かった。彼女の代表作エミリアは、アメリカの理想的な生活スタイルを描いているとされ、北欧の暮らしとは隔絶した遠い国の暮らしに憧れを頂いていた面もあった。
■コンディション:★★★☆☆(3:並品)
全体的にペイントが薄れており、フタの表面は光に透かすとスレが見られます。割れ欠け等のない並品のコンディションですが、ペイント薄れを考慮した評価となっています。








