サーミの画家が描いた北極圏の記憶 ARABIA限定7000枚の記念プレート
フィンランドを代表する陶器メーカーARABIA社が限定7,000枚製造した記念プレートです。ラップランド出身の画家アンドレアス・アラリエスト(1900-1989)という人物の絵画をプレートにしたものです。こちらは1980年に製造されたものとなります。1900年頃のラップランドで暮らす先住民族の生活の様子や、狩猟の様子などが描かれています。ラップランドとは北欧のノルウェー、スウェーデン、フィンランド、そしてロシアの一部にまたがる北方の地です。北極圏に入る極寒の地で、当地で暮らす先住民はサーミと呼ばれます。作者のアラリエスト自身もサーミの出身で、民族誌の記録としてスケッチしたものがプレートに収められています。30cm近いサイズのある大皿で、金縁のプレートのなかに当時の人々の暮らしが活写されています。こちらは冬に備えてニシンを保存食にする風景が描かれています。背面にはフィンランド語、スウェーデン語、ドイツ語、英語の4言語が併記されています。
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。
■詳細スペック
- メーカー:ARABIA / アラビア
- デザイナー:Andreas Alariesto / アンドレアス・アラリエスト
- 年代:1982年
- 製造国:フィンランド
■コンディション:★★★★★(5:完品)
飾皿として使用されていたものです。特質すべきダメージのない完品のコンディションです。背面には製造時の金具があり、壁掛けとしてデザインされました。








