1950年代のミッドセンチュリー名作、リンドベリ・ドミノのブラウン
スウェーデンを代表するデザイナー、スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)がデザインした「ドミノ(Domino)」シリーズのブラウン色アッシュトレイです。グスタフスベリ(Gustavsberg)製、20×20.3cmの正方形に近いフォルムで、ぽってりとした厚みのある重量感あふれる作品です(重さ約1,500g)。
ドミノは1950年代にリンドベリが手がけた幾何学パターンのテーブルウェアシリーズで、丸や線、ドットを大胆に配したモダンなデザインが特徴です。本作のブラウンバリエーションは、深い褐色の釉薬の上にドミノパターンが繊細に表現されており、ミッドセンチュリーの北欧デザインを象徴する一作です。
底面には「Gustavsberg Domino Stigl 15」の刻印が入っており、グスタフスベリ製ドミノシリーズのオリジナル品である証となっています。
表面の白い部分について
表面の一箇所に白い部分が見られますが、これは製造時の窯の中で陶器片が付着したもので、欠けや使用による傷ではありません。ヴィンテージ陶器に時折見られる窯傷の一種で、本作の歴史性を伝える特徴のひとつといえます。鑑賞の妨げになるほどではなく、むしろ手仕事の証として味わいのある表情を生んでいます。
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地
1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。
黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。
このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド
グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
- シリーズ名:Domino / ドミノ
- カラー:ブラウン
- 年代:1950年代
- 製造国:スウェーデン
- サイズ:20cm × 20.3cm
- 重量:約1,532g
- サイン:底面に「Gustavsberg Domino Stigl 15」の刻印
- サイズ:1辺20.3cm、高さ3.5cm
■コンディション:★★★★☆(4:美品)
割れや欠けのない良好なコンディションです。表面の一箇所に白い部分(製造時の窯傷/陶器片の付着)が見られますが、使用による傷ではなく、本作固有の特徴です。また縁に一箇所ごく僅かな釉薬の欠けが見られます。経年相応のヴィンテージ感はありますが、全体として非常に良い状態を保っています。










