
リンドベリが描いた青いすもも ヴィンテージだけの鮮やかな発色
スウェーデンの名窯グスタフスベリのプルーヌスシリーズのヴィンテージのクリーマーです。プルーヌスシリーズはエッグカップやコーヒーカップ等が復刻されていますが、こちらのクリーマーは復刻版がなくヴィンテージでしか入手できません。
プルーヌスシリーズはミッドセンチュリーと呼ばれる20世紀中期にデザインされたLLモデルを基本としています。これは無地の陶器の原型の名称で、プルーヌスやベルサなどの各シリーズは表面に圧着する転写紙の種類を変えることで生み出されました。
シリーズ名のプルーヌスはプラム(日本語では「すもも」)を意味し、円形に青い実をつけるすももが描かれています。ヴィンテージ版と復刻版の大きな違いは、ヴィンテージのバックスタンプには鮮やかな青でプラムが描かれている点です。復刻版のバックスタンプは錨マークです。
■詳細スペック
メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
シリーズ:Prunus / プルーヌス
年代:1962年〜1974年
生産国:スウェーデン
コンディション:★★★★☆(4:美品)
縁に一箇所釉薬がかかっていない部分があり、縁の製造時の整形の歪みがわずかに感じられます。ペイントロスも少なく使用歴がほとんどない大変状態の良い美品です。
■サイズ
直径5.5cm 高さ7cm
■関連コレクション
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
