北欧モダンの美が宿る白い器 グスタフスベリの名品エヴァ
スウェーデンの名窯グスタフスベリのエヴァのヴィンテージのコーヒーカップ&ソーサーです。エヴァシリーズは復刻版が数多く製作されていますが、こちらのヴィンテージのエヴァについては、ほとんど製造されなかった幻の作品と言われています。
エヴァは水色の濃いドット柄の「アダムシリーズ」を反転させて赤く色付したものです。対になるデザインをエヴァ(イブ)と呼ぶのは遊び心=試作品、といった位置づけがあったのかもしれません。ヴィンテージのエヴァは黒点があったり、かたつきや転写紙のズレが見られるものが圧倒的に多く、それほど手の混んだ検品も行われなかったのではないかと考えられます。バックスタンプもソーサーにのみ刻印されたものしか見当たりません。以上の理由からプロトタイプは製作されましたが、大量生産はされなかったもと考えられます。
アダムシリーズは1959年から74年まで製作された一方で、ヴィンテージのエヴァに関しては製作年は不詳です。しかしソーサーに刻印されているグスタフスベリのロゴは1970年頃まで使われた「縄ありロゴ」となります。そのため、エヴァは1960年代のごく一時期にのみ生産されたものではないかと考えられます。(ロゴの詳細についてはこちらのブログ記事をご覧ください→『グスタフスベリのロゴの歴史』 )
デザインを担当したのは同社の伝説的なデザイナーであるスティグ・リンドベリです。水玉模様のアダムについてはプレートやクリーマーやシュガーボウルなど一連の食器シリーズが作られましたが、ヴィンテージのエヴァに関しては食器シリーズとしての展開はなく、この一品のみ製作されました。
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
- シリーズ名:Eva / エヴァ
- 年代:1960年代(推定)
- 製造国:スウェーデン
- サイズ:カップ幅9cm(取手含む)高さ5.2cm ソーサー直径12.2cm
■コンディション:訳あり品
カップの下部に一箇所釉薬の剥がれが見られます。使用上の問題はありませんが訳あり品としてオトクな価格でご提供です。










