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ARABIA

希少な試作品 アラビア プルプリイェンカ(Purpuri Jenkka)小サイズカップ

希少な試作品 アラビア プルプリイェンカ(Purpuri Jenkka)小サイズカップ

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フィンランドの名窯が生んだ 手仕事の温もりが宿るカップ

フィンランドを代表する食器メーカー ARABIA の、極めて珍しい試作品のカップです。プルプリイェンカとして知られる幻のシリーズは、1969〜70年の1年間のみ製造された希少シリーズです。本作は、製品版とは異なる試作段階で作られたアトリエ作品とみられます。

1)プロコッペ本人によるペイントの可能性
本作は、プルプリイェンカのデザインを担当したウラ・プロコッペ自身が、試作段階で直接ペイントを施したと推測される個体です。量産品では職人が担当する絵付けですが、本作の筆致や色の乗り方、そして底部サインの在り方などから、原案者による手仕事の作品と考えられます。製品版では見られない整然とした規則性ある模様は、着想の検証や試行錯誤の過程を示すものとも解釈できます。


2)ファイアンス焼きのような柔らかな質感
市販品に比べて、本作はやや低温で焼かれたと考えられる質感があります。磁器のような硬質さではなく、ファイアンス焼きに近い、しっとりとした柔らかさがあります。これは、白い素焼きの陶器を作ったあとに、絵付けを行い、色を定着させるために再び釜で焼くといった二段階工程で造られるものです。製品版よりも簡易な焼成条件で製作されたものであり、結果的に内部に貫入が見られ釉薬の剥落が生じたと考えられます。

制作過程の痕跡を示したアトリエ作品としての資料性と物語性が強く感じられます。


3)製品版と異なる印象のパターン
市販のプルプリイェンカに比べて、模様の配置やリズムが規則的で、整然とした美しさがあります。当初はこのようなイメージ原案であったことが分かります。製品版ではあえて緑の葉っぱの柄や赤い花柄をランダムに配置することになりましたが、それがより美しく作品を彩ることに繋がりました。しかしその反面、ランダムな草花の配置はペインター泣かせであり、結果的にその描画の困難さが製品版の寿命を縮めたのではないかと考えられます。

4)本作の制作時期
プルプリイェンカは、当時の ARABIA が最盛期を迎えていた1969〜70年の1年間のみ発売されました。しかしデザインを担当したプロコッペは1968年12月に逝去しており、実際の商品化を目にすることはありませんでした。そのため、本作の制作時期は1968年の初め頃ではないかと考えられます。

5)小さなカップが伝える一つの物語
本作は幻のシリーズをさらに遡る試作として、製品版以上に希少な価値を持つものです。プルプリイェンカがなぜ幻になったのか、量産工程に何が負荷となったのかを、具体的に読み解くことができます。

作品としてだけでなく、シリーズの成立を物語る資料としても本作は価値が高いものです。アラビア食器のコレクションの中心に据えられる、特別な位置づけの一品です。

ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

ヘルシンキのARABIA工場 1975年
1975年のARABIA工場(ヘルシンキ・アラビア地区)

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

カイ・フランク
「フィンランドデザインの良心」カイ・フランク(1911–1989)

黄金時代を築いたデザイナーたち

カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。

ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1961–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

ARABIA工場の陶芸家たち
ARABIA工場のアトリエで制作する陶芸家たち

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。

ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

ARABIAのロゴマーク
ARABIAのマーク
  • 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
  • 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
  • 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
  • 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
  • 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。

■詳細スペック

  • メーカー:ARABIA / アラビア
  • デザイナー:Ulla Procope / ウラ・プロコッペ
  • シリーズ名:Purpuri Jenkka / プルプリイェンカ
  • 年代:1968年前半頃(推定)
  • サイズ:高さ 10cm、直径 9cm

■コンディション:評価対象外

試作品特有の焼成由来の風合い、貫入や釉薬の剥がれは個性としてご理解ください。外観は良好で、絵付けの発色も美しく残っています。


■関連コレクション

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ウラ・プロコッペ(Ulla Procope)

Ulla Procope

ウラ・プロコッペ(Ulla Procope,1921〜1968年)

ヘルシンキ生まれ。1948年にヘルシンキのアールト大学芸術デザイン学部を卒業してアラビア社に入社する。以後20年に渡って制作部門でデザインを担当し、1960年にルスカ(Ruska)シリーズ、1961年にバレンシア(Valencia)シリーズを生み出す。ルスカはアラビア社製品の中で最もロングランかつ販売数が多い看板商品となり、ルスカのフォルムはSモデルと呼ばれ、その後のARABIAの食器の原型モデルとなる。バレンシアはARABIA製品では最後のハンドペイント商品となっている。プロコッペはガンを患い現役を退いてからはスペインのカナリア諸島に移住し47歳のとき現地で死去している。

ウラ・プロコッペの作品一覧はこちらからどうぞ♪

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