フィンランドの田園風景を一枚に ARABIA創業100年の記念プレート
フィンランドを代表する陶器メーカーARABIA社が1973年に創業100周年を記念し発売したウォールプレートです。デザイナーはカレワラやエミリアで知られるライヤ・ウオシッキネンで、フィンランドの伝統的な田園風景が描かれています。風景の作り込みが緻密で、シーズンを問わない静物画的な趣があります。エミリアで用いられたウオシッキネンの点描がここでもよく現れていて、デフォルメされた牧畜の風景と、人々の暮らしと祈りの基盤となる教会が中央に描かれています。壁掛けプレートとして制作されたもので製造時のプレートハンガーがそのまま残っています。背景には同時のARABIA社のスポンサー企業であったWARTSILA(ヴァルチラ)の刻印もされています。
ARABIA — フィンランドが世界に誇る陶磁器の名窯

1873年、スウェーデンのロールストランド社がヘルシンキに設立した分工場がARABIAの始まりです。当初はロシア帝国向けの陶磁器を生産していましたが、1917年のフィンランド独立後に完全なフィンランド企業となり、20世紀半ばにはフィンランド最大の陶磁器メーカーへと成長しました。

黄金時代を築いたデザイナーたち
カイ・フランク(1911–1989)は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれ、キルタ(後のティーマ)やカルティオなど、無駄を削ぎ落とした機能美の名作を生み出しました。1949年にはARABIAのクラウンマーク(王冠のバックスタンプ)もデザインしています。
ウラ・プロコッペ(1921–1968)は、コバルトブルーの手描きが美しいバレンシア(1960–2002年)と、鉄粉を施した独特の土色が魅力のルスカ(1960年代–1999年)を手がけました。ルスカの粗い表面は日本の楽焼に似た風合いで、北欧と日本の美意識の近さを感じさせます。

このほか、ビルガー・カイピアイネン(1915–1988)は「装飾の王」と呼ばれ、名作パラティッシをはじめ華やかな装飾陶芸を制作。エステリ・トムラはフローラシリーズの植物画で知られ、ライヤ・ウオシッキネンも数多くの装飾パターンを手がけました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1874〜1930年頃:素地への型押し(インプレスト)が主流。1878年以降はフィンランドの紋章入りカラーマークも併用。
- 1932〜1949年:クルト・エクホルムがデザインした「パイプスタンプ」。工場に導入された122mのトンネル窯を表現したデザイン。
- 1949年〜現在:カイ・フランクがデザインしたクラウンマーク(王冠)。月桂樹の輪を逆さにして王冠に見立てた斬新なデザイン。1964年、1971年、1975年、1981年、2014年に更新。
- 生産年の読み方:1940年代以降は月→年の順で数字が刻印。2等品にはローマ数字IIや色付きドットが付されます。
- 2016年以降:ヘルシンキ工場は2016年3月に閉鎖され、現在はタイとルーマニアで生産。ヴィンテージ品はすべてフィンランド製で、「MADE IN FINLAND」の刻印があります。
■詳細スペック
- メーカー:ARABIA / アラビア
- デザイナー:Raija Uosikkinen / ライヤ・ウオシッキネン
- 年代:1974年
- 製造国:フィンランド
■コンディション:★★★★★(5:完品)
飾皿として使用されていたものです。特質すべきダメージのない完品のコンディションです。背面には製造時の金具があり、壁掛けとしてデザインされました。








