フィンランドを代表する陶器メーカーARABIA社のボタニカという植物を題材にしたプレートです。ボタニカ・シリーズは1978年から1989年にかけて合計55種類壁掛けのウォールプレートと19種類のフラワーベースがデザインされました。デザイナーはクロッカスやフローラで知られるエステリ・トムラです。ノイバラはバラの中では比較的小さな花をつける品種です。そのためプレートのなかにも3本の花が描かれています。
■詳細
メーカー：ARABIA / アラビア
デザイナー：Esteri Tomula / エステリ・トムラ
シリーズ名：rosa polyantha / ノイバラ
年代：1985年
生産国：フィンランド
コンディション：★★★★★（5：完品）
飾り皿として使用されていたもので特筆すべきダメージはありません。製造時の姿をよく留めているミントコンディションとなります。
■サイズ：縦横幅12.2cm 高さ1.7cm
■エステリ・トムラ（Esteri Tomura，1920〜1998年）
フィンランド首都ヘルシンキの生まれ。大学教授だった父親がヘルシンキ北西部のウルヤラン（Urjalan）という田舎に別荘を購入し、幼少時代は毎年夏になると家族と自然豊かな別荘地で過ごしたことが彼女の自然への造詣を深めたとされる。エステリ・トムラは先天性の小人病の疾患があり、ヘルシンキのアールト芸術大学ではじめは陶芸を専攻するが体力的・身体的な理由から満足に土を扱うことが出来なかった。そのため陶芸の道を諦めてデザインに自らの専門性を求めていく。ARABIAに入社後は終生の友となったライヤ・ウオシッキネンとともにパターンデザイナーとして腕を磨いていく。ウオシッキネンは抽象的で幾何学的模様を好んだが、トムラは幼少期の原風景であったフィンランドの草花に自身の原点を見出している。身体的なハンディキャップをものともせず名作を生み出したトムラは、ポリオで麻痺をかかえながら不朽の名作パラティッシをデザインしたビルガー・カイピアイネンとも相通じる面がある。
