
スウェーデンの国民的作家が生んだ 手のひらに宿る北欧の物語
リサ・ラーソンがグスタフスベリ社でデザインした大変希少な長くつ下のピッピの陶器像です。『長くつ下のピッピ』(Pippi Långstrump)は、スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレンによって1945年に発表された児童文学作品です。主人公は9歳の少女ピッピ・ロングストッキング(ピッピ・ラングストロンプ)で、彼女は非常に独立心が旺盛で、常識にとらわれない自由な性格をしています。
制作秘話についてはブログ記事をどうぞ〜リサ・ラーソンと『長くつ下のピッピ』制作秘話〜
彼女は隣に住むトミーとアンニカという兄妹と友達になり、一緒に多くの冒険を楽しみます。物語は子どもたちが大人の世界に疑問を持ち、自分自身を発見する過程を描いたものです。作品は書籍だけでなく、テレビドラマ、映画、舞台など多くのメディアで翻案されており、世界中で愛されています。ピッピには馬とサルの動物の友達もいて、本作の左肩に乗っているのは「ニルソンさん」という名のサルのお友達です。ピッピとともに冒険の旅に出る姿を描いています。
本作は3年間製作されたものですが、もともとの生産数が少なかった上に、足などに破損が生じやすくきれいな状態の残っているものは少ないです。表情も生き生きとしており、ピッピも冒険心に満ちた佇まいが感じられる快作です。今回はとても良い状態のものが入荷しました。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校でテキスタイルから陶芸に転向。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
リンドベリが「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼んだ工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。ある日、暗褐色のシャモット陶土でしっぽを立てた猫を作ったことが、生涯で約30種もの猫の陶器を生むきっかけとなります。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- ケラミックストゥディオン時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- 作品名:Pippi Långstrump / 長くつ下のピッピ
- 年代:1969〜1971年
- 生産国:スウェーデン
- サイズ:高さ17.5cm 厚み5cm
■コンディション:★★★★★(5:完品)
オリジナルのコンディションを留めた完品です。割れや欠けがなく製造時の姿をそのまま留めたものです。

