スウェーデンの名窯ジイ・ガントフタのクリーマーです。ガントフタは陶板で有名なメーカーですが、20世紀中葉には什器も小ロット製造していました。プレートやスパイスジャーなどが定番ですが、こちらは珍しい半分素焼きのクリーマーです。半分より下はむき出しの陶土で上部と取手の一部に水色の釉薬がかかっています。片手で持てるようにデザインされた可愛らしい作りです。
デザイナーはガントフタ社で什器のデザインを担っていたアニタ・ニールンドという人物です。彼女の在籍期間は1950年代から60年代にかけてのため、こちらのクリーマーは50年代後半頃にデザインされたものではないかと思います。古い時代のガントフタの刻印は曲線を交えた台形で、陶板の四角形のサインとは異なるのも特徴です。アニタ・ニールンドはスウェーデンを代表する陶芸家のグンナー・ニールンドの娘で、リサ・ラーソンと同い年のデザイナーです。デザインに民族的な柄を用いたJanssons frestelse（ヤンソン氏の誘惑）シリーズで知られています。
■詳細
メーカー：Jie Gantofta/ ジイ・ガントフタ
デザイナー：Anita Nylund / アニタ・ニールンド
年代：1950年代（推定）
生産国：スウェーデン
コンディション：★★★★☆（4.5：極美品）
水色の釉薬と素焼きの部分の境に一箇所釉薬の剥がれが見られます。製造時の焼成時に窯内で弾けて生じたものとなります。本体そのものは未使用品のコンディションです。
