アンヤ・ヤーティネン・ウィンクヴィスト(Anja Jaatinen-Winquist)

アンヤ・ヤーティネン・ウィンクヴィスト(Anja Jaatinen-Winquist,1934〜)

フィンランドと国境を接するロシアのカレリア地方の町ソルタヴァラに生まれる。1955年にフィンランドの首都ヘルシンキのアールト大学芸術のデザイン・建築学部を卒業した後にARABIAに入社する。同社に所属したフィンランドの草分け的な女性陶芸家アウネ・シーメス(Aune Siimes)の助手を経て、1974年までARABIA製品のデザイン部門を担っている。ウィンクヴィストの最も有名なデザインは、鉄酸化物で装飾されたカレリアシリーズで、巧みにマットブラウンの色調を使用した装飾が施されたデザインを考案している。

カレリアはフィンランドとロシアとの国境線にまたがる地域で、歴史上何度も領土争いの舞台となっている。ウィンクヴィストは出身地の土をイメージしたマットな質感を表現するために、酸化鉄を使うという変わった方法で茶系の色付けを行っている。彼女は製造現場で自ら土を捏ねて色合わせを担当したと言われており、デザインのみならず製作に対する姿勢も一際伝わってくる。