すこしだけグスタフスベリの歴史の話その2

すこしだけグスタフスベリの歴史の話 その2

グスタフスベリは錨のマークからも分かるように海辺にある会社です。

グスタフスベリ創設の歴史は前回の記事もご覧ください

〈グスタフスベリのロゴの歴史はこちらの記事をご覧ください〉

今でも工場はストックホルム郊外のグスタフスベリという地域にあります。

もともとはファルスタ(Farsta)という地名でしたが、創業者のグスタフ氏が当地で産地とする土で陶器を製造したため、ベリ「(土が取れる)山」という意味でグスタフスベリと呼ばれるようになりました。 

日本では瀬戸焼や信楽焼など良い土と焼き物は内陸部に集中していますが、北欧では湖畔または海辺に陶器の工場がある例が多く見られます。

ちなみにデンマークにはグスタフスベリによく似たマークの「ポシュグルン(Porsgrund)」という陶器メーカーがあります。 

一見して、ほとんど変わらないエンブレムです。

錨のマークが示すようにポシュグルンも海辺に工場がありました。

材料を水運で運び込んだり、製品を各国へ出荷したりする上で港がすぐ側にあることは大いにメリットがあったわけです。

 

(19世紀のグスタフスベリの工場)

 

ちなみに白磁(ボーンチャイナ)で有名なドイツのマイセンもエルベ川沿いに立地しています。ボーンチャイナを生み出したロンドンももちろん水辺の町です。

つまりヨーロッパでは基本的に陶器と港町はセットです。

そう考えると、グスタフスベリが錨のマークなのはむしろひねりが少ないくらい自然な表現なのです。

それではまた。

店主 中村

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