社内アトリエで一点ずつ手描きされた 同じものが二つとないARABIAの芸術品
北欧を代表する老舗陶器メーカーのロールストランド社のアトリエ作品のフラワーベースです。ロールストランドには量販品を生産するラインとは別に著名なデザイナーがアート作品を制作した部門が別ラインでありました。こちらは1960年代にインガー・パーソンによって制作されたアートピースです。
インガー・パーソンは20世紀のスウェーデンで主にアートピースと手作業で一点ずつを製作するアトリエ作品のデザインを中心におこなった陶芸家です。1950年代末にロールストランド社のアート部門に就職し、ディレクターのカール・ハリー・スタルハンのもとアトリエ作品の製作を行っています。とくにフクロウの陶器像の製作で知られた人物で、一時期ロールストランド社を離れますが、引退まで同社のアートデパートメントで精力的に創作活動に勤しみました。ロールストランド社の量販品は通常バックスタンプと呼ばれるハンコで社章が刻印されますが、アトリエ作品は手書きで刻印がされています。社名の刻印の下にインガー・パーソンのイニシャルであるIPが合字で刻印されています。
フラワーベースは全体的に厚く釉薬がかかった重厚感があるつくりで、ずんくりとしたフォルムに土・茶・紺色のトリコロールカラーで引き締めを図っています。中央部に竹の節ように鋭角の膨らみがあり、ずんぐりしたフォルムにスタイリッシュさを与えています。底面にはデザイナーのインガー・パーソンのサインが見られます。
ロールストランド — ヨーロッパ最古級の磁器工房、300年の伝統

1726年、ストックホルムに設立されたロールストランドは、スウェーデン最古の陶磁器工場です。スウェーデン王室の支援のもと、ファイアンス焼きから始まり、やがてボーンチャイナ、フリント陶器へと技術を発展させました。1926年にヨーテボリ、1936〜39年にリードヒェーピングへと工場を移転し、2005年12月30日にスウェーデン国内での生産を終了しました。ブランドは現在もフィスカース(Fiskars)グループ傘下で存続しています。

ロールストランドを彩った名デザイナーたち
マリアンヌ・ウェストマン(1928–2017)は1950年から1971年までロールストランドに在籍し、青い花柄のモナミ(1952年〜)や、大胆なポップアートのようなピクニック(1956年〜)など、スウェーデンで最も愛される食器シリーズを生み出しました。
グンナー・ニールンド(1904–1997)はストーンウェアの巨匠として知られ、深みのある釉薬のアート陶芸で国際的な評価を獲得。カール=ハリー・ストールハーネ(1920–1990)も30年以上にわたりロールストランドでスタジオ作品と量産食器の両方を手がけました。

1930年にはルイーズ・アーデルボルグ(1885–1971)がストックホルム博覧会で発表した「ナショナルサービス」(後のスウェディッシュ・グレース)が、スウェーデン王室や大使館で愛される名品となりました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1730〜1884年:「Stockholm」または「Rörstrand」の手書き・型押し。絵付け師のイニシャルや年号が添えられることも。
- 1884〜2000年:ロールストランドの象徴的な「三つの王冠」マーク。イタリック体の工場名の周りにスウェーデンの紋章が配されたデザイン。1937年以降は3桁の数字コード(最初の2桁が製造年、3桁目が年内の時期)で年代特定可能。
- 2000年〜現在:王冠をかぶった「R」のシンプルなマーク。2005年にスウェーデンでの生産終了後も使用。
- ヴィンテージ品の特徴:「SWEDEN」または「MADE IN SWEDEN」の刻印はスウェーデン工場製の証。リードヒェーピング工場閉鎖(2005年)以前の製品は、手仕事の温もりと北欧デザインの黄金期の品質を持つ貴重なヴィンテージ品です。
■詳細スペック
- メーカー:Rörstrand / ロールストランド
- デザイナー:Inger Persson / インガー・パーソン
- 年代:1960年代
- 製造国:スウェーデン
■コンディション:★★★★★(5:完品)
特筆するダメージがなく、使用歴もない完品のコンディションです。オリジナルのシールも残っており大変状態の良いミントコンディションです。








