スウェーデンの国民的作家が生んだ 手のひらに宿る北欧の物語
リサ・ラーソンが1992年にグスタフスベリ(Gustavsberg)社に構えた社内工房であるKeramik Studion(K-Studion)で制作した灯台(Fyr)のキャンドルスタンドです。リサ・ラーソンは1980年にグスタフスベリ社を退社してフリーランスとして活動しますが、自らの創作活動に専念できる環境を用意されるという高待遇で再び同社に迎え入れられました。すでに世界的なアーティストとなっていたリサ・ラーソン作品が、技術的にも高いレベルで制作されたものとなります。
高さは19cmと比較的背の高い置物で、頂点には排熱と吸気用の空気穴が空いています。ティーライトキャンドルを内部に入れると夜間のインテリアとして最高の雰囲気を作り出します。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校でテキスタイルから陶芸に転向。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
リンドベリが「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼んだ工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。ある日、暗褐色のシャモット陶土でしっぽを立てた猫を作ったことが、生涯で約30種もの猫の陶器を生むきっかけとなります。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- Kスタジオ時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。
Kスタジオ — リサ・ラーソンが立ち返った場所
Kスタジオ(Keramikstudion:ケラミックストゥディオン)は、1992年にリサ・ラーソンがグスタフスベリの地に共同設立した陶芸工房です。1980年にグスタフスベリを退社してから12年、フリーランスとして世界各国の企業と仕事をしてきたリサが、原点であるグスタフスベリの窯に立ち返る形で創設されました。
Kスタジオでは、グスタフスベリ時代の名作を手作りで復刻する一方、リサ自身による新作やユニークピース(一点物)の制作も行われています。量産工場ではなく、少人数の職人による手仕事の工房であり、一点ずつ手作業で成形・絵付け・焼成されています。グスタフスベリの技術的伝統とリサの創作精神が結びついた場所です。
■詳細スペック
- メーカー:Kスタジオ(Keramikstudion:Kスタジオ) / グスタフスベリKスタジオ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- 作品名:Fyr / 灯台
- 年代:1990年代
- 製造国:スウェーデン
■コンディション:★★★★☆(4.5:極美品)
キャンドルスタンドとして使用された形跡のないデッドストック品となります。内部に焼け跡は割れ欠けも見られない大半良好なコンディションです。
















