スウェーデンの名窯が生んだ 北欧ヴィンテージの逸品
スウェーデンの名窯グスタフスベリのボウルです。グスタフスベリ社は絵柄と配色という二つの要素で著名な食器を生み出してきました。こちらは同社の伝説的なデザイナーであるスティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)がデザインしたものです。
ミッドセンチュリーと呼ばれる20世紀中葉の黄金期を経て円熟期を迎えたリンドベリが1969年に制作したものです。ローゼンフェルトとは「バラの園」の意味で、全面にバラの花が散りばめられています。制作年代はわずかに3年間しかなかったため本国スウェーデンでもなかなか見かけることがない希少なものです。
この時代のグスタフスベリのボウルはすべて同じ型を使用して作陶されています。名作ベルサや、プルーヌス、可愛らしいピンタシリーズでも全て同型の17cmボウルがあります。一度白磁の焼き物を仕上げてから無地の下地に貼り付ける転写紙を変えることで様々なパターンバリエーションが仕上げられます。転写紙は圧着された後、透明釉を薄く塗って再度焼成されることで定着します。
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
- シリーズ名:Rosenfalt / ローゼンフェルト
- 年代:1969~1972年
- 製造国:スウェーデン
■コンディション:★★★★★(5:完品)
使用痕がほとんど見られない、殆ど新品に近い状態です。ボウル内部には黒点が3箇所、裏面には焼け粒が2箇所、炉台跡が3箇所ありますがいずれも製造時のものです。ヴィンテージとしてかなり状態が良く、製品としての完成度も高い最良のコンディションです。









