
スウェーデンの国民的作家が生んだ 手のひらに宿る北欧の物語
リサ・ラーソンが1960年代にグスタフスベリでデザインしたマチルダというシリーズのコーヒーカップ&ソーサー&プレートのトリオです。たぬきのような丸々としたフォルムが可愛らしい一品です。リサ・ラーソンの作品は陶板や動物の陶器像などが多くありますが、リサ・ラーソンがデザインした食器は珍しいものです。同時期のリサ・ラーソンの食器には姉妹品ともいえる「ジョセフィン」があり、カップのみ同様のフォルムを踏襲して製作されています。
一連の食器シリーズとして製作されたリサ・ラーソンの食器はマチルダシリーズのみとなります。マチルダはカップ、ティーポット、プレート、シュガーボウル、クリーマー、豚のフォルムのキャンドルホルダーなどが製作されました。
リサ・ラーソン — 北欧の愛すべき陶芸家
師匠スティグ・リンドベリとリサ・ラーソン。1年の試用期間が26年に。
リサ・ラーソン(1931-2024)。スウェーデン南部スモーランド地方エルムフルトに生まれ、ヨーテボリの工芸学校でテキスタイルから陶芸に転向。1954年、学生コンペの審査員を務めたグスタフスベリの巨匠スティグ・リンドベリに才能を見出され、「1年の試用期間」で工場に招かれました。その1年は、やがて26年間の創作活動へと続いていきます。
リンドベリが「レクストゥーガ(遊び小屋)」と呼んだ工房で、リサは「リッラ・ズー(小さな動物園)」「ABCガールズ」「アフリカ」など数々の名作を生み出しました。ある日、暗褐色のシャモット陶土でしっぽを立てた猫を作ったことが、生涯で約30種もの猫の陶器を生むきっかけとなります。
日本とリサ・ラーソン
ABCガールズの「ドーラ」に命を吹き込むリサ。1950年代の痩身美の風潮に対し、古代の豊穣の女神に着想を得たふくよかな女性像を創りました。
一つひとつ手描きで絵付けされるリサ・ラーソンの陶器。職人の手仕事ゆえの個体差が、ヴィンテージ品の魅力です。
1970年、リサは大阪万博を訪れ、益子焼の人間国宝濱田庄司と出会います。民藝運動に触れたこの体験が、彼女の手仕事への信念をさらに深めました。2010年には日本の絵本のために赤い縞模様の猫「マイキー」を描き、やがてこの猫は日本中で愛されるキャラクターに。2014-15年の日本巡回展には21万人以上が来場しました。
ヴィンテージと復刻版の見分け方
リサ・ラーソン作品の制作時期は、バックスタンプで判別できます。
- グスタフスベリ工場時代(1954-1980) — 錨マークに「GUSTAVSBERG」「LISA L.」「SWEDEN」の刻印。最もコレクター価値が高いヴィンテージ品。
- フリーランス時代(1980-1992) — ロールストランド、イエ・ガントフタなど各メーカーの刻印。
- ケラミックストゥディオン時代(1992年〜) — 「K-Studion」の刻印。リサが共同設立した工房で、ヴィンテージの名作を手作りで復刻。高品質ですがオリジナルとは異なります。
当店で取り扱うリサ・ラーソン作品は、スウェーデンから直接買い付けたヴィンテージのオリジナル品です。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
- シリーズ名:Matilda / マチルダ
- 年代:1962〜1972年
- サイズ:カップ直径9cm カップ高さ7.5cm ソーサー直径15.5cm プレート直径17cm 高さ2cm
■コンディション:★★★☆☆(3.5:良品)
カップは使用跡の少ない美品です。プレートは表面を光に透かすとカトラリー跡が見られ、ソーサーは高台受けを光に透かすとスレが見られます。割れや欠けや貫入はなく使用上の問題はないヴィンテージ品となります。写真は在庫のうち、カトラリー跡が多いものを選んで載せていますが、在庫品は基本的にこれに準ずるコンディションとお考えください。本品は複数在庫品となります。個別のコンディションをご確認の場合はチャットまたはメールにてお問い合わせください。 本品のカップは写真の最後の4枚のものとなります。高台部に凹みが観察されます。欠けではなく製造工程によって生じたものにも見えますが、通常よりもお得な価格でのご提供です。