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Gustavsberg

グスタフスベリ エマ(Emma)コーヒーカップ&ソーサー&ケーキ皿 トリオ

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スウェーデンの名窯が生んだ 北欧ヴィンテージの逸品

 

スウェーデンの名窯グスタフスベリの半世紀ほど前に作られたエマシリーズのコーヒーカップ、ソーサー、ケーキ皿のトリオです。華美な装飾を用いず単色でデコレーションをした作品で、落ち着いた配色の点描でりんごの花が描かれています。バックスタンプにはVDNという品質保証マークが刻印されており、1973年までの間にスウェーデン国内で製造されたものであることを示しています。

グスタフスベリ社はフォルムと図案という二つの要素で食器のデザインをおこなっています。食器の形態を決めるフォルムデザインは20世紀のスウェーデンを代表するミッドセンチュリーの旗手スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)が担当しています。

リンドベリは食器の基本的なフォルムの造形を定めています。そして無地の食器に若手デザイナーが自由に装飾を描くという手法で、同型フォルムのデザインが異なる食器が数多くデザインされました。同じフォルムのプレートでもシリーズによってデコレーションを担う作家の個性が現れます。本作のデコレーションはポウル・ホフが行っています。

グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

グスタフスベリ磁器工場と港の風景
ストックホルム群島ヴェルムド島に位置するグスタフスベリ工場

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

スティグ・リンドベリ グスタフスベリ工場にて
グスタフスベリのアートディレクター、スティグ・リンドベリ(1916–1982)

黄金時代を築いた巨匠たち

1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。

1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

グスタフスベリ工場での手描き装飾作業
グスタフスベリ工場の装飾部門でコーヒーカップに絵付けをする職人

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。

ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリのロゴの歴史 1825年から1993年までのバックスタンプの変遷
グスタフスベリのバックスタンプの変遷(1825–1993年) 出典:Jane Fredlund, Stora antikboken, 2021

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。


■詳細スペック

  • メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
  • フォルムデザイン:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
  • パターンデザイン:Paul Hoff / ポウル・ホフ
  • シリーズ名:Emma / エマ
  • 年代:1961年〜1973年
  • 製造国:スウェーデン
  • サイズ:カップ幅8.5cm(取手含む)高さ6.5cm ソーサー直径13.5cm ケーキ皿直径17cm

■コンディション:★★★★☆(4:美品)

ソーサー表面は光に透かすとカトラリー跡が見られます。ケーキ皿は重ね置きのスレが極僅かにみられますが、未使用品のデッドストック品となり大変状態が良いものです。3点とも割れや欠けがない美品のコンディションとなります。本品は複数在庫品となります。個別のコンディションをご確認の場合はチャットまたはメールにてお問い合わせください。


■関連コレクション

グスタフスベリ完全ガイド — 偽物の見分け方

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スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)

スティグ・リンドベリ

スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg,1916〜1982年)

北部スウェーデンの中心都市ウーメオー(Umeå)の生まれ。ストックホルムの美術大学コンストファック(Konstfack)で絵画を学んだのち、1937年にグスタフスベリ社に入社。師であるウィルヘルム・コーゲの薫陶を受けながら徐々に頭角を現し、1949年にはコーゲの跡を継いでアートディレクターに就任しました。

代表的なシリーズ

リンドベリは驚くほど多作なデザイナーでした。日用食器の「ベルサ(Berså)」は緑の葉をあしらった明るいデザインで、スウェーデンの家庭で広く親しまれました。ほかにもプラムの実をあしらった「プルーヌス(Prunus)」、幾何学模様の「スピサ・リブ(Spisa Ribb)」や「ドミノ(Domino)」、自然の形をユーモラスに捉えた「ファイアンス(faience)」のオブジェ群など、多様なスタイルを生み出しています。

陶磁器を超えた創作

リンドベリの才能は陶磁器の領域にとどまりませんでした。テキスタイル、琺瑯(ほうろう)鍋のデザイン、絵本の挿絵、インダストリアルデザインなど幅広い分野で活躍。1954年のミラノ・トリエンナーレではグランプリを受賞し、国際的にも高く評価されました。

Gスタジオと後進の育成

リンドベリが率いたG-Studion(Gスタジオ)はグスタフスベリ社内の芸術工房で、若手デザイナーたちが自由に腕をふるう創作の場でした。リサ・ラーソンをはじめとする後の著名アーティストがここから巣立っており、リンドベリの功績はデザイナー個人としての作品だけでなく、北欧デザインの次世代を育てたことにもあります。

コレクターズノート

リンドベリが活躍した1950〜60年代のグスタフスベリは黄金期を迎えており、この時代の作品は「ミッドセンチュリー北欧デザイン」の代名詞として、世界中のコレクターから高い評価を受けています。

スティグ・リンドベリの作品一覧はこちらからどうぞ

ベルサ完全ガイド — 歴史・復刻版との見分け方

ポウル・ホフ(Paul Hoff)

ポウル・ホフ(Paul Hoff,1945年〜 )

ポウル・ホフ(Paul Hoff,1945年〜)

スウェーデンの首都ストックホルム生まれの陶芸家・ガラス工芸家。動物をモチーフにした温かみのある陶器作品で知られ、グスタフスベリ窯の伝統を受け継いだアーティストのひとりです。

学びの時代とグスタフスベリ入社

1963年から1968年までストックホルムの名門美術大学コンストファック(Konstfack)で学びました。卒業後の1969年にグスタフスベリ窯に入社し、1974年まで約5年間在籍しています。グスタフスベリ時代には、、動物の陶器像のデザインを担当しました。

WWF(世界自然保護基金)シリーズ

ホフの代表作として最も知られるのが、1980年代にグスタフスベリで制作されたWWFシリーズです。世界自然保護基金とのコラボレーションにより、絶滅危惧種の動物たちを陶器のフィギュアとして表現しました。パンダ、ゴリラ、トラ、ユキヒョウなど、リアルでありながら愛嬌のある造形が特徴で、当時の売上の一部は自然保護活動に寄付されました。現在ではコレクターズアイテムとして人気が高く、ヴィンテージ市場でも高い評価を受けています。

独立後の活動

グスタフスベリ退社後は、スウェーデン南部のトランフェ(Transjö)に自らのガラス工房を構え、ガラス工芸の世界へと活動の場を広げました。陶芸で培った動物モチーフへの深い愛情は、ガラス作品にも反映されています。ホフの作品は、リサ・ラーソンの動物シリーズとともに、グスタフスベリのアニマルフィギュアの系譜を語るうえで欠かせない存在です。

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