スウェーデンの名窯が生んだ 北欧ヴィンテージの逸品
スウェーデンの代表的な老舗陶器メーカーのグスタフスベリが1970年代に製作した一風変わった陶板です。同社は日常的な食器を製作することが多かったメーカーで、陶板は比較的珍しいものです。背面にあるDALARNAとはスウェーデン中部のダーラナホースで有名なダーラナ地方のことです。ANGSKLOCKAとはスウェーデン語で「桔梗(ききょう)」の意味で、その下にはラテン語の二名法でカンパニュラ・パチュラと記載されています。
非常に大型で重たい陶板で、フィリグリー細工の一種で銀彩が施されています。背面の金具は縦向きに設置されていますが、外して横向きの穴に装着することも出来る少し面白い作りになっています。表面の桔梗も横向きでも縦向きでも違和感がないよう上手に配置されています。表面右下にはデザイナーのハインツ・エレットのイニシャルサインであるHEが刻印されています。
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- デザイナー:Heinze Erret / ハインツエレット
- 年代:1972〜1985年
- サイズ:縦33.5cm 横21cm 厚み1.3cm
■コンディション:★★★★☆(4.5:極美品)
表面左上に極小さなスレと背面に経年のスレがわずかに見られますが、割れや欠けがなく製造時の姿をそのまま留めた良好な状態です。








