スウェーデンの名窯ロールストランドの「ドレヤルグルッペン(Drejargruppen=轆轤師集団)」による、一点物の飾り皿です。
ドレヤルグルッペンは、ロールストランドのリードヒェーピング工場内に設けられた手仕事の工房で、陶芸家たちが轆轤で一点ずつ制作した作品を世に送り出していました。量産品とは異なり、フォルム・釉薬・装飾のすべてに作り手の個性が宿っています。
本作は1976年に制作された炻器(ストーンウェア)の飾り皿で、抽象的な幾何学模様が特徴です。錆色(鉄釉)、深い藍色、淡い青、ベージュなど、土味を生かした渋い色彩が重なり合い、北欧のモダンアートを思わせる力強い表情を見せています。縁にはダークブラウンの釉薬が施され、額縁のように作品を引き締めています。
裏面にはロールストランドの王冠付き「R」マーク、「SWEDEN」「DREJAR GRUPPEN」「1976」の刻印があります。
ロールストランド — ヨーロッパ最古級の磁器工房、300年の伝統

1726年、ストックホルムに設立されたロールストランドは、スウェーデン最古の陶磁器工場です。スウェーデン王室の支援のもと、ファイアンス焼きから始まり、やがてボーンチャイナ、フリント陶器へと技術を発展させました。1926年にヨーテボリ、1936〜39年にリードヒェーピングへと工場を移転し、2005年12月30日にスウェーデン国内での生産を終了しました。ブランドは現在もフィスカース(Fiskars)グループ傘下で存続しています。

ロールストランドを彩った名デザイナーたち
マリアンヌ・ウェストマン(1928–2017)は1950年から1971年までロールストランドに在籍し、青い花柄のモナミ(1952年〜)や、大胆なポップアートのようなピクニック(1956年〜)など、スウェーデンで最も愛される食器シリーズを生み出しました。
グンナー・ニールンド(1904–1997)はストーンウェアの巨匠として知られ、深みのある釉薬のアート陶芸で国際的な評価を獲得。カール=ハリー・ストールハーネ(1920–1990)も30年以上にわたりロールストランドでスタジオ作品と量産食器の両方を手がけました。

1930年にはルイーズ・アーデルボルグ(1885–1971)がストックホルム博覧会で発表した「ナショナルサービス」(後のスウェディッシュ・グレース)が、スウェーデン王室や大使館で愛される名品となりました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1730〜1884年:「Stockholm」または「Rörstrand」の手書き・型押し。絵付け師のイニシャルや年号が添えられることも。
- 1884〜2000年:ロールストランドの象徴的な「三つの王冠」マーク。イタリック体の工場名の周りにスウェーデンの紋章が配されたデザイン。1937年以降は3桁の数字コード(最初の2桁が製造年、3桁目が年内の時期)で年代特定可能。
- 2000年〜現在:王冠をかぶった「R」のシンプルなマーク。2005年にスウェーデンでの生産終了後も使用。
- ヴィンテージ品の特徴:「SWEDEN」または「MADE IN SWEDEN」の刻印はスウェーデン工場製の証。リードヒェーピング工場閉鎖(2005年)以前の製品は、手仕事の温もりと北欧デザインの黄金期の品質を持つ貴重なヴィンテージ品です。
■詳細スペック
- メーカー:Rörstrand / ロールストランド
- 工房:Drejargruppen / ドレヤルグルッペン(轆轤師集団)
- 種別:飾り皿
- 素材:炻器(ストーンウェア)
- 装飾:手描き抽象幾何学文様(鉄釉・藍釉・灰釉)
- 年代:1976年
- 製造国:スウェーデン
- サイズ:直径22.5cm 高さ3.5cm
■コンディション:★★★★★(5:完品)
ひび割れや欠けはなく、釉薬の発色も良好な状態です。炻器ならではの重厚感と、手仕事の温もりが感じられる一枚です。割れや欠けや貫入がない完品のコンディションとなります。









