フィンランドを代表する陶器メーカーARABIA社のハンドペイントのボウルです。デザイナーのヒルッカ・リーサ・アホラはARABIA社で大量生産品の生産ラインとは別に、自らのアトリエを社内工房という形でもち、絵付け師と共作でハンドメイド作品の制作をおこなっていました。ヒルッカ・リーサ・アホラはよくひまわりの絵を好んで描いていますが、作品によって様々な色つけがされています。こちらはひまわりの花びらが青色という独特な色彩感覚で描かれています。広口で背の低いボウルで多用途にお使い頂ける使い勝手のよいものです。背面にはヒルッカ・リーサ・アホラ作品であることを示すHLAのイニシャルサインが描かれています。
■詳細
メーカー：ARABIA / アラビア
デザイン：Hilkka-Liisa Ahola / ヒルッカ・リーサ・アホラ
生産国：フィンランド
年代：1960年代
コンディション：★★★★★（4.5：極美品）
使用歴のないデッドストック品です。背面の高台部分に製造工程によるペイント飛びが見られますが、スレやカトラリー跡、割れ欠け貫入が見られず制作された状態をそのまま留めたコンディションです。
■ヒルッカ・リーサ・アホラ（Hilkka-Liisa Ahola，1920〜2009）
1947年にARABIA社に入社。1974年までの27年間の間にHLAデザインと呼ばれる花柄や女性像をあしらった一点物のアトリエ作品を多く手掛ける。彼女の作品は一つひとつがハンドペイントによるため同じものが二つとなく、数あるARABIA製品のなかでも一際独特の存在感を放っている。アホラ作品はとくに青・茶・黄色を明度を落として使用する暗褐色の作品が多くその色彩感覚が特徴となっている。彼女が一躍有名になったのは1958年に発表されたクッカ（花）シリーズで、ハンドペイントで花が描かれた花瓶が大ヒットし70年代まで生産が続けられている。1974年にARABIAは経営危機によってアートデパートメントを縮小することとなり彼女はARABIAを退社している。以降はフリーの立場でバティックと呼ばれる染め物作品の製作に転換していく。
