フィンランドを代表する陶器メーカーARABIA社のヴィンテージのコーヒーカップです。シリーズ名のトゥントゥリとはフィンランド北部のラップランド地方の「山」や「丘」を表す、かなり個別具体的な単語です。
ラップランドは極北に近いエリアで冬場は荒涼とした大地ですが、夏場に気温が高まると一気に山並みに植生が豊かになるため、高山植物の宝庫として知られています。ハンドペイントで描かれた大輪の花はラップランドに咲く花をイメージしたものです。土色の本体は雪解けに表れる大地を想起させ、北欧に訪れる短い春の自然が感じられます。しっとりとした肌触りのカップで、チョコレートブラウンで描かれたデイジーの花が派手すぎず普段使いに適した落ち着きを醸し出しています。
フォルムデザインを担ったのはバレンシアで有名なウラ・プロコッペです。ルスカという大ヒットモデルと同じ形状で、Sモデルと呼ばれるフォルムとなります。パターンデザインを担当したオルガ・オソルは1924年から1971年までの長期間ARABIAに奉職し息の長い活躍をしました。
■詳細
メーカー：ARABIA / アラビア
フォルムデザイナー：Ulla Procope / ウラ・プロコッペ
パターンデザイン：Olga Osol / オルガ・オソル
年代：1969〜1972年
生産国：フィンランド
コンディション：★★★★☆（4：美品）
割れ欠け貫入がなく使用感がほとんどない美品となります。本品は複数在庫品となります。個別のコンディションをご確認の場合はチャットまたはメールにてお問い合わせください。
ウラ・プロコッペ（Ulla Procope）
ウラ・プロコッペ（Ulla Procope，1921〜1968年）
ヘルシンキ生まれ。1948年にヘルシンキのアールト大学芸術デザイン学部を卒業してアラビア社に入社する。以後20年に渡って制作部門でデザインを担当し、1960年にルスカ（Ruska）シリーズ、1961年にバレンシア（Valencia）シリーズを生み出す。ルスカはアラビア社製品の中で最もロングランかつ販売数が多い看板商品となり、ルスカのフォルムはSモデルと呼ばれ、その後のARABIAの食器の原型モデルとなる。バレンシアはARABIA製品では最後のハンドペイント商品となっている。プロコッペはガンを患い現役を退いてからはスペインのカナリア諸島に移住し47歳のとき現地で死去している。