希少な一点もの リサ・ラーソン(Lisa Larson)ユニークピース 大きなカバ
希少な一点もの リサ・ラーソン(Lisa Larson)ユニークピース 大きなカバ
リサ・ラーソンがグスタフスベリ社で1965年頃に制作した一点もの(ユニークピース)の巨大なカバの置物です。大きな動物園シリーズ(Stora Zoo)の「「カバと3匹の小鳥」(Flodhast med faglar)」の陶器像のモデルとなった作品です(※写真手前のカバの陶器像はサイズ比較用になります)。
【制作背景と解説】
リサ・ラーソンは23歳となった1954年、スウェーデンの老舗陶器メーカー「グスタフスベリ」に入社しました。就職の経緯はその前年の1953年、学生時代のリサがヘルシンキのコンペに発表した作品に始まります。
猫の尻尾がピーンと立った独特な陶器像が、若手の芸術家をリクルートしていたスティグ・リンドベリの目に留まりました。リンドベリは、20世紀を代表するグスタフスベリ社のデザイナーで、スウェーデンを中心とする20世紀中葉の芸術運動「ミッドセンチュリー」の旗手です。
リンドベリは北欧諸国を巡って若手な有望なデザイナーを探しており、リサ・ラーソンの猫のデザインに惹かれ彼女をリクルートして、グスタフスベリ社のインターンとして採用します。リサは与えられた創作環境で大いに才能を発揮し、コンペ作品は「小さな動物園(Lilla Zoo)」シリーズとして発売されます。「小さな動物園」はその新奇性から当時北欧で大ヒットを記録します。
ヒットを受けて今度は動物のサイズ感を一際大きくモデリングした「大きな動物園(Stora Zoo)」シリーズが企画されました。1966年には本作の量販品である「カバと3匹の小鳥」の陶器像が発売されます。
今回紹介するユニークピースのカバの陶器像は、それに先立つ年(おそらく1965年頃)にスタジオ用のサンプルとしてリサ・ラーソンが制作したものです。まだ最終的なデザインが決定していない段階のプロトタイプ的な作品であり、鳥が背中に乗っていなかったり、足の長さや胴体の色が異なるなど量販品との違いが伺えます。アトリエでは本作を元にして、量販品のデザインが決定され大量生産に適したモディファイが行われることになります。
具体的には本作と量販品とでは、カバの表面の凹凸が浅かったり、足の長さが短いなど明確な違いがあります。釜で焼成する際の割れや貫入などが生じないような工夫が施されたのが量販品といえます。その結果として、凹凸や長い脚が失われ、量販品はペタッとした質感の作品となっています。
それでも量販品の「カバと3匹の小鳥」はリサ・ラーソンの陶器像のなかでも大きな部類に入ります。しかし、本作は量販品よりもさらに5倍ほどの大きさで、人間の大人が抱えるほどの大きさと重さがあります。
お腹側にはグスタフスベリのGスタジオで制作されたことを示すリサ・ラーソン直筆サインのハンドサインが描かれており、本作は世界に一点だけの作品である「ユニークピース」を示しています。
リサ・ラーソンの亡き後、彼女の作品はますます価値のあるものとなりました。今後二度と入荷することはなく値段相応の価値がある作品です。この機会にぜひ本作品をご覧ください。
■詳細
メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
作品名:Flodhäst / カバ
年代:1960年頃
生産国:スウェーデン
コンディション:★★★★★(5:完品)
割れや欠けや貫入がなく半世紀前の制作当時の姿をそのまま留めた完品のコンディションです。
■サイズ
高さ25cm 横幅18cm 奥行き37cm
グスタフスベリのGスタジオ(G-Studion)
グスタフスベリには、大量生産ラインとは別に、Gスタジオ(G-Studion)という部門が存在していました。ここでは、ウィリヘルム・コーゲ、スティグ・リンドベリやリサ・ラーソンなどの著名なデザイナーたちがアート作品を生み出していました。
1942年に設立されたGスタジオは、アーティスト、デザイナー、職人、イラストレーターからなるグループで、創作活動から展示用の陶器作成、公共空間のアート作品製作、産業向けデザインまで、幅広い活動を行っていました。1993年まで稼働し「美的実験室」のような役割を果たしていました。また、グスタフスベリの大量生産品のデザインアイデアを提供する役割も担っていました。
Gスタジオは、グスタフスベリの陶磁器工場の古い建物を改装したアトリエで、100人以上のアーティストと職人が集まるハブとなっていました。20世紀のグスタフスベリの陶磁器の伝統は、ここから発信されたと言っても過言ではないでしょう。スウェーデンの芸術とデザインの世界における中心的存在であり、新たな創造性を育む場として機能していました。
Gスタジオの作品は一点一点が手作りで、その制作風景を伝える映像が残されています。その映像には、丸メガネをかけた男性、デザイナーのスティグ・リンドベリが映っています。そして、その右側にはスタジオディレクターであったウィリヘルム・コーゲが映っています。
リサ・ラーソン(Lisa Larson)
リサ・ラーソン(Lisa Larson,1931〜2024年)
スウェーデンを代表する世界的な陶芸家。スウェーデン南部スモーランド地方にあるクロノベリ(Kronoberg)郡のエルムフルト(Älmhult)地区にある人口500人ほどのハールンダ(Härlunda)という村の生まれ。
幼い頃は服飾デザイナーを志すが、ヨーテボリ芸術大学に入学した後は陶芸を学ぶ。ある時コンペでスティグ・リンドベリに見い出されたことがきっかけとなり、1年間の試用期間を経て、グスタフスベリ(Gustavsberg)社のデザイナーとして正式に入社する。直後の1955年にはLilla zooシリーズを発表し、1964年にはライオン像で有名なAfrikaシリーズを考案している。
リサ・ラーソンはグスタフスベリに留まらず、ホガネス(Höganäs)社や国内小売大手のオーリエンス(Åhléns)社、ドイツの陶器メーカーのローゼンタール(Rosenthal)社にもデザインを提供している。1979年にグスタフスベリを退社した後は、専属ではなく企業と随意契約をするフリーランス芸術家という立ち位置で、自由に創作活動を続けながら各方面で活躍していく。1979年と1981年には東京の西武百貨店で個展を開催しており、81年の個展には述べ7万人が来場したと言われる。
折りたたみ可能なコンテンツ
ご利用できるお支払い方法
- 各種クレジットカード
- Apple pay、Google Pay、Paypal
- コンビニ決済
- 銀行振込
- スマホ決済(QRコード決済)
お支払い方法の詳細についてはこちらのページをご覧ください。
発送日の翌日到着
当店の発送地は滋賀県です。北海道・沖縄県・離島・東北の一部を除く国内エリアは発送通知の翌日に到着します(天候不良等の場合を除く)。
ヴィンテージの評価
星★を用いたコンディションの評価の詳細については下記をご覧ください。
商品のサイズ感について
商品写真はコンディションがよく分かるように接写しています。そのため実際の商品は小さく感じられる場合があります。木のスプーンは商品の付属物ではなくサイズ比較用で、長さは13cmとなります。
送料について
送料は一律900円(10,000円以上のお買い物で送料無料)です。
※北海道・沖縄は送料1,400円(13,000円以上のお買い物で送料無料)となります。
International Shipping
We are offering international shipping to over 100 locations. Enjoy free shipping when you spend 200,000 JPY or more.