ARABIAバレンシアのバリエーションです。フィエスタ（fiesta）がデザインされた1960年、バレンシアが発売された1961年の間くらいに作られたものだと思います。どことなくフィエスタとバレンシアを合わせたようなデコレーションです。試作品もしくは練習用に制作されたもので背面には一枚しかウラ・プロコッペのサインがされていません。
全体的にバレンシアのプレートに比べると薄造りで軽く焼きが甘い印象があります。プレートとしての作りは未熟な部分もありますが、希少性という点においてはかなり珍しいものです。詳細はブログ記事もご覧ください。
■詳細
メーカー：ARABIA / アラビア
デザイナー：Ulla Procope / ウラ・プロコッペ
年代：1960年頃
生産国：フィンランド
コンディション：
写真一枚目の右上のプレートのみ背面に貫入が見られます。その他のプレートは表面に若干のカトラリー跡が見られます。
■ウラ・プロコッペについて
ウラ・プロコッペ（Ulla Procope，1921〜1968年）
ヘルシンキ生まれ。1948年にヘルシンキのアールト大学芸術デザイン学部を卒業してアラビア社に入社する。以後20年に渡って制作部門でデザインを担当し、1960年にルスカ（Ruska）シリーズ、1961年にバレンシア（Valencia）シリーズを生み出す。ルスカはアラビア社製品の中で最もロングランかつ販売数が多い看板商品となる。バレンシアシリーズはアラビア社製品で最後のハンドペイント商品となっている。プロコッペはガンを患い現役を退いてからはスペインのカナリア諸島に移住し47歳のとき現地で死去している。
