リサ・ラーソン 動物園(Menageri)カバ(Flodhäst)の置物
リサ・ラーソン 動物園(Menageri)カバ(Flodhäst)の置物
リサ・ラーソンがグスタフスベリ社で1966年にデザインした動物園シリーズのサイの陶器像です。シリーズ名のメナジェリーとは舶来の動物を展示する見世物小屋のことです。同シリーズでは、カバ、ラクダ、ネコ、おばけネズミ、サイがデザインされました。いずれも手のひらに乗るような小ぶりなサイズで、生息域が限られる希少な動物をモチーフにしています。
こちらはシリーズでも珍しいカバの置物となります。よく見ると口元は口角を上げて笑っているように表現されています。全面に釉薬がかかった作りで、口の大きさと丸々としたお尻が可愛らしい作品です。本作が生み出された当時、リサ・ラーソンは陶器像の材料研究を熱心におこなっており、シャモットと呼ばれるより土のむき出しの感じがありつつ高い耐久性も確保した新しい製造方法で作られています。足元の風合いにシャモット陶器の質感が感じられます。
■詳細スペック
メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
シリーズ名:Menageri / 動物園
作品名:Flodhäst / カバ
年代:1966〜1976年
生産国:スウェーデン
コンディション:★★★★★(5:完品)
割れ欠け貫入がなく制作当時の姿をそのまま留めた完品のコンディションです。左前足のオリジナルのシールが経年で剥がれています。足裏の穴は焼成用の空気穴となります。カバの置物は必ず足裏のどこかにこのような穴が設けられています。
■サイズ
高さ8cm 横幅10.5cm 奥行き6cm
リサ・ラーソン(Lisa Larson)
リサ・ラーソン(Lisa Larson,1931〜2024年)
スウェーデンを代表する世界的な陶芸家。スウェーデン南部スモーランド地方にあるクロノベリ(Kronoberg)郡のエルムフルト(Älmhult)地区にある人口500人ほどのハールンダ(Härlunda)という村の生まれ。
幼い頃は服飾デザイナーを志すが、ヨーテボリ芸術大学に入学した後は陶芸を学ぶ。ある時コンペでスティグ・リンドベリに見い出されたことがきっかけとなり、1年間の試用期間を経て、グスタフスベリ(Gustavsberg)社のデザイナーとして正式に入社する。直後の1955年にはLilla zooシリーズを発表し、1964年にはライオン像で有名なAfrikaシリーズを考案している。
リサ・ラーソンはグスタフスベリに留まらず、ホガネス(Höganäs)社や国内小売大手のオーリエンス(Åhléns)社、ドイツの陶器メーカーのローゼンタール(Rosenthal)社にもデザインを提供している。1979年にグスタフスベリを退社した後は、専属ではなく企業と随意契約をするフリーランス芸術家という立ち位置で、自由に創作活動を続けながら各方面で活躍していく。1979年と1981年には東京の西武百貨店で個展を開催しており、81年の個展には述べ7万人が来場したと言われる。
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