グンヴァル・オリン=グレンクヴィスト(Gunvor Olin-Grönqvist)

グンヴァル・オリン=グレンクヴィスト

グンヴァル・オリン=グレンクヴィスト(Gunvor Olin Grönqvist,1928〜2005年)

フィンランドのエスポー(Espoo)の生まれ。1951年にARABIA(アラビア)社に入社し、1992年までの41年間という長きにわたって同社のデザインを担当しました。フィンランド陶磁器デザインの黄金期を支えた重要なデザイナーのひとりです。

代表的なシリーズ

グレンクヴィストは数多くのシリーズを手がけています。秋の草花をイメージした「Tea for Two」、抽象的な栗色の縦線を配した「コスモス(Kosmos)」、半分に切ったザクロを描いた「フラクタス(Fructus)」、フィンランドの伝統的なサウナ文化に着想を得たサウナマグシリーズなど、いずれも現在でも愛好者の多い人気の高い作品群です。

ATELJE の署名 — 美術部門での手描きの仕事

大量生産ラインとは別に、グレンクヴィストはARABIAの美術部門で手描きの仕事を続けました。これらの器の底には「ATELJE ARABIA FINLAND GOG」と署名が入ります。ATELJE は美術部門の手描き製品に用いられた署名であり、シリーズ名でも部門の名称でもありません。GOG はグレンクヴィストのイニシャルで、スラッシュに続く二文字(GOG/PM、GOG/IP など)は、その器に実際に彩色した絵付師のイニシャルです。図案を描いた人と彩色した人の両方が器の裏に残る——これが量産の絵付けとの違いです。日本では「アトリエGOG」の通称で呼ばれています。一点ごとに絵が異なり、独特の色使いと陰影のある色彩感覚が、コレクターの間で高い評価を受けています。

デザインの特徴

グレンクヴィストの作品に共通するのは、自然の形態を大胆かつ繊細に捉えるデザインセンスです。植物や果物といった身近なモチーフを、温かみのある色彩と親しみやすい構図で表現しました。量産品であっても手仕事のような温もりを感じさせる絵付けが、彼女の作品が長く愛され続けている理由のひとつです。

詳しくはコラム記事『北欧食器と陰翳礼讃』もあわせてご覧ください。

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